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議事録

2015年度(平成27年度)評議員会議事録
日本神経化学会
2015 年度評議員会議事録

日 時:2015 年9 月12 日(土)12:00~12:40
会 場:大宮ソニックシティ2 階 小ホール
出 席:出席 46 名,委任状 89 名(評議員総数267 名,定足数53 名)
議 長:今泉 和則 理事長
進 行:白尾 智明 副理事長
議 題:今後の神経化学会発展のロードマップを考える

議事に先立ち,今泉和則理事長より今年度理事長就任のご挨拶があった。
また,白尾智明副理事長からも議事に先立ち,以下の通り発言があった。

 これまでも学会の様々な方針について,評議員会の場で活発な討議を経て実現をなし得てきたものが多く,例えば,過去には他学会との連携について討議をした後に,本年度新潟で開催された第56 回日本神経学会学術大会へ,当学会より池中一裕,小泉修一,馬場広子評議員によるシンポジウムが開催され盛況だったという報告があった。この様に,本日も大いに実りのある討議を期待する。

引き続き白尾智明副理事長より,今回の議題「今後の神経化学会発展のロードマップを考える」に関し,以下の通り問題提議があった。

・短期的として,学生会員の会員継続問題(若手会員制度の導入について)
・中期的として,本学会と他学会との交流・連携
・長期的として,本学会のスタンス,ミッション,ビジョン

上記を踏まえ,白尾智明副理事長の指名により,本学会の将来構想を担う将来計画委員会にて現在検討している若手会員制度やその他事項について,和田圭司委員長から,以下の通り報告があった。

 本日午前10 時に委員会を開催したところであるが,主に,学生会員と正会員の中間会員区分として設置する若手会員制度の実施,休会制度の拡充,理事選挙の在り方,会員減少の問題,当学会の長期的ビジョン,今後の若手育成セミナーの在り方等について議論を行った。その中でも,ここ数年理事会,本委員会にて議論を行ってきた若手会員制度の実施については,現在学生会員会費3,000 円,正会員10,000 円であることから,学生会員から正会員へ移行する際の会費負担増額を軽減し5,000 円とする等,同制度の実現へ向け具体的に話を進めているところである。

上記報告を受け,若手会員制度について,今泉和則理事長より以下の通り発言があった。

 本学会における直近過去5 年間の会員数の減少は顕著であり,特に若い会員の定着率が低い点については,将来の本学会を担う会員が育たないという懸念から,理事会においてここ数年来の問題となっている。その為,若手会員制度を立ち上げることは急務と考えている。

更に,和田圭司将来計画委員長より,若手会員制度の詳細について,以下の通り具体的な提案があった。

 現在の会員制度では,学生会員としての有資格期間が設けられていない為,大学・大学院等の教育機関を卒業した後も学生会員のまま継続している会員が少なからず存在することが懸念される。その観点からも,今回若手会員制度を設ける際には,若手会員および正会員への移行を促進するために,学生・若手会員の有資格期間を明確にする。

上記提案について,白尾智明副理事長より,島田昌一庶務担当理事が指名され,以下の通り意見を述べた。

 庶務担当理事として,会員数の推移はもちろんのこと,特に学生会員は会費を滞納したまま除名となるケースが多く見受けられる。また,この様に一度除名になった後に機会があり学会へ復帰しようとしても一度除名になるとそれも難しくなる為,学生及び若手会員に期間を設け,学生会員から若手会員を経てスムーズに正会員へ移行できる制度は,会員減少や会費滞納者減少の効果も期待されると考える。

引き続き,白尾智明副理事長より,前期理事長を務めた木山博資連合大会委員長が指名され,以下の通り意見を述べた。

 若手会員制度については,各学生・若手会員に対し有資格期間を設ける案も含め賛成である。しかし,更に学生会員の定着率を上げる為には,将来計画委員会からの以前の資料より若手育成セミナー参加者の本学会定着率が高い点に着目し,若い会員へのサポート体制を厚くする,その他にも大会の口演セッション等若い会員とシニア会員間の交流の場を増やし,会員同士顔が見える学会にしていくべきである。

上記を踏まえ,白尾智明副理事長より,改めて和田圭司将来計画委員長へ若手会員制度の具体的な実現時期について確認があった。

 可能であれば2016 年度からとしたいが,施行の際には本学会会員制度の改定となり,その際には会則を整え,総会の承認を得る必要がある為,早くとも2017 年度からの施行となると考える。

白尾智明副理事長より,馬場広子会計担当理事が指名され,学会財政の面からとして,以下の通り意見を述べた。

 若い会員の本学会定着,また会費滞納会員数減少も期待できる点から,若手会員制度を設けることには賛成である。なお,施行時期については学会会計年度が1 月始まり,また総会の承認が必要となること等を踏まえると,今年度総会を明日に控えていることから,来年度(2016 年度)の施行は難しく,2017 年度からの施行とするのが現実的と考える。

挙手にて木山博資連合大会委員長より,来年度施行へ向け,以下の通り発言があった。

 本日の総会で,若手会員制度施行の急務について議場へ説明し,同制度に関する会則改定や手続き等詳細は理事会へ一任する旨議場へ諮り承認を得ることで,来年度(2016 年度)からの施行が可能と考える。

上記発言を受け,白尾智明副理事長より,若手評議員の意見を求めるとして,竹林浩秀シンポジウム企画委員長が指名され,以下の通り意見を述べた。

 本日の総会で,若手会員制度改定について理事会に一任することに問題提起がなければ,若手会員制度導入を進めることに賛成する。

上記意見等を踏まえ,白尾智明副理事長より,若手会員制度については2016 年度の早期施行に向け,本日の総会でその旨議場へ諮ることとなった。

続いて白尾智明副理事長より,中期的課題として,本学会と他学会との交流を更に深める為の展望について,竹居光太郎氏が指名され,以下の通り意見を述べた。

 本会冒頭で報告があった通り,引き続き本学会から他学会の学術集会へシンポジウムの企画等を働きかけると共に,今後は臨床系学会等を招聘し,その学会企画のシンポジウムを本学会大会で開催することによって更なる交流が発展すると考える。

上記意見に関し,本学会と他学会との交流について,和田圭司将来計画委員会委員長より,以下の通り発言があった。

 将来計画委員会でも,他学会との交流を推奨していくことは重要であるが,その際に必要となるのは本学会のスタンスやビジョンを明確にしておくという点が議論された。特に本学会が大事にしている「教育重視」という点を含めてスタンスやビジョンを明確にすることにより,本学会の軸がぶれずに他学会との交流が促進できると考える。

更に引き続き,挙手にて将来計画委員会委員橋本亮太氏より,以下の通り発言があった。

 本学会が,ビジョンとして若手会員の教育を掲げるのであれば,若手がサイエンスの基礎をしっかり勉強するという点において,本学会大会での発表や討議の言語を日本語にすることは可能か検討を希望する。

上記発言について,白尾智明副理事長より,現在大会で扱う言語は大会長に一任となっている旨説明があった上で,昨年度(第57 回)大会長を務めた塩坂貞夫理事が指名され,以下の通り前年度の大会について事例を述べた。

 昨年の大会では,日本生物学的精神医学会と合同大会となった為,同学会の意向を考慮し日本語で扱うものが多かったが,本学会に関する企画については英語も使用した。

引き続き,大会における言語の扱いについて,白尾智明副理事長より,ISN Treasurer を務める池中一裕氏が指名され,以下の通り意見を述べた。

 今後も本学会がISN やAPSN と深く連携していく,また海外からの学生が日本で学ぶ機会も増えている観点等から,大会で扱う言語が日本語のみというのは学会の国際化に反するのではないかと憂慮する。そこで,基本的には英語を扱うとしながらも,いくつかの企画においては日本語とする等,大会長の判断に委ねるものと考える。

白尾智明副理事長より,次々回(第60 回)大会ではAPSN とのスクーリング等も検討していることから,同大会長を務める福永浩司氏が指名され,以下の通り意見を述べた。

 今大会全体を見ると,今後は教育口演の発表は英語としても,討議は日本語とするのも一案と考える。但し,シンポジウムは当然英語とすべきである。

ここで白尾智明副理事長より,今大会(第58 回)大会長として,今大会における言語の扱いについて,以下の通り説明があった。

 今大会での言語を原則英語とした理由のひとつとしては,特に若手会員にとり,国内外問わず英語での討議に早くから慣れるよう,実践の場を設ける必要があると考えたことによる。

上記意見等を踏まえた上で,今泉和則理事長は,今後の大会における言語の扱いを,以下の通りとした。

 今大会会期中,言語を英語としている理由からか,討議の場面では確かに一部十二分に議論が尽くされていない場面も見受けられた為,教育ということを考えると,若手にしっかりサイエンスを勉強してもらうということが重要なため,今後日本語でのセッションも取り入れる方向で検討してもらいたい。
また,この問題についてはかねてから将来計画委員会で議論され,同委員会から理事会へ同様の答申が出ており,理事会においてもそれを重く受け止めていることを申し添える。
しかしながら,大会における言語の扱いの最終決定は,従来通り大会長に一任とする。

白尾智明副理事長より,前シンポジウム企画委員長を務めた斎藤祐見子氏が指名され,以下の通り問題を提議した。

 シンポジウム企画委員会では,毎年の大会において様々な理事会企画シンポジウムを立案しているが,更なる集客に向けた具体策の検討を希望する。

上記について,白尾智明副理事長より,脳研究推進委員会にて意見があった内容について述べられた。
 
 現在は学会の新しい方向性の模索ということで企画されているが,今後は学会が推し進めるべき特色に対応した理事会企画シンポジウムを企画しても良いと思われる。

また,白尾智明副理事長より,現シンポジウム企画委員長である竹林浩秀氏が指名され,以下の通り意見を述べた。

 今後としては,大会開催地のスーパーサイエンスハイスクールの学生等へも声掛けを行う等集客の裾野を広げることも視野に入れ,本委員会にて検討し,必要の際には理事会へその旨諮りたいと考える。

最後に今泉和則理事長より,本学会の今後の中長期ビジョンについて,以下の通り発言があった。

 本学会会員にとり,大会は面白く魅力的だと感じる場所になることが一番好ましく,学会へ良い効果をもたらすと考えている。今後も,本学会の伝統である「分子から病態,あるいはbrain function を見る」を基盤とし,他学会との交流を含め大会運営も進めていきたい。

 以上をもって,2015 年度評議員会は閉会となった。