●用語解説
複合脂質:分子中にリン酸や糖などを含む脂質。細胞膜の脂質二重層の主要な構成要素であり、神経系では神経伝達に重要な役割を果たしていると言われている。
DEGS2:delta(4)-desaturase, sphingolipid 2というジヒドロセラミドを不飽和化して複合脂質の一種であるセラミドに転換する酵素。
GWAS:genome wide association study (全ゲノム関連解析)。病気に罹患している集団と一般対照集団との間でアレルの頻度の違いを検定し、病気のリスクとなる遺伝子や多型を見出すことを,全ゲノム領域の各多型に対し行う方法。
SNP:single nucleotide polymorphism (一塩基多型)。ヒトのDNAの個人差を表すものであり、様々な病気のリスクや治療反応性に関連していると考えられている。
Asn:アスパラギン酸というアミノ酸の略語、Ser:セリンというアミノ酸の略語
ミスセンスSNP:タンパク質のアミノ酸の違いのあるSNP。SNPの大部分を占めるイントロンや遺伝子外のSNPと異なり、機能の違いがあることが想定される。
中間表現型:精神疾患に特徴的な神経生物学的な表現型であり、認知機能、脳神経画像、神経生理機能などがある。
参考文献
1.Hashimoto R, et al, Genome-wide association study of cognitive decline in schizophrenia. Am J Psychiatry, 170(6):683-684, 2013.
2.Tandon R, Keshavan MS, Nasrallah HA. Schizophrenia, "Just the Facts": what we know in 2008 part 1: overview. Schizophr Res. 100:4-19, 2008.
3.橋本亮太、統合失調症の中間表現型、日本臨牀、71(4):610-614、2013.