数理モデルと機械学習がひらく神経科学の可能性
EL10
数理モデルと機械学習がひらく神経科学の可能性
○銅谷賢治1
○Kenji Doya1
沖縄科学技術大学院大学1
Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University1

統計的学習アルゴリズムの有用性は、今日様々なウェブサービスなどにより広く実感されるようになったが、それはまた大規模複雑系である脳の理解のためにも非常に重要なツールとなり得る。統計的学習アルゴリズムは、イメージングやゲノミクス、プロテオミクスなど膨大なデータの背後にある構造を見いだす「データ解析」のために不可欠のツールであると同時に、私たちの脳が膨大な感覚運動信号の中から有用な情報を抽出し行動や認知機能を実現するしくみを理解するための「モデリング」のためにも極めて重要である。本講演では、教師あり学習、強化学習、教師なし学習、ベイズ推定といった統計的学習の枠組みが、脳神経系のボトムアップなデータ解析とトップダウンな数理モデリングにいかに使われ、これからどう使いうるかを、実例をもとに解説する。数学やコンピューターに関心はあっても馴染みはないという方々にとって、今後の学習や共同研究の糸口となることをめざす。


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