精神疾患のMRI・構造画像研究:Voxel-based morphometry入門
EL2
精神疾患のMRI・構造画像研究:Voxel-based morphometry入門
○根本清貴1, 笠井清登2
○Kiyotaka Nemoto1, Kiyoto Kasai2
筑波大学1, 東京大学病院精神神経科2
University of Tsukuba1, Division of Neuropsychiatry, The University of Tokyo Hospital2

私たちは、包括型脳科学研究推進支援ネットワーク(包括脳)精神疾患拠点の活動を通じて、日本の神経科学研究者に対するMRI構造解析法の普及・教育を進めている。
MRI構造自動解析法の一つであるVoxel-based morphometry (VBM)は、特定の領域ではなく全脳を対象にした灰白質・白質の密度や体積をボクセル毎に探索的に評価する手法であり、近年広く用いられるようになってきている。VBMは大きく分けて前処理と統計解析の二つに分けられる。前処理は分割化、解剖学的標準化、平滑化からなる。SPMを用いたVBMでは、近年、解剖学的標準化をより高精度で行うための手法であるDARTELが導入されており、その結果、より頑健な分割化および標準化ができるようになってきている。前処理を行った後、一般線形モデルを用いてボクセル毎での検定を行う。探索的な統計解析を行うことができることから、VBMは応用範囲が広い。原理が理解しやすく、とりかかりやすいことから普及しているVBMであるが、気をつけなければいけないピットフォールもいくつかある。このため、本講演においてはVBMの原理およびこれまでの変遷を振り返ることにより、VBMに対する理解を深めていきたい。さらに、実際のVBM応用例を通して、VBM解析を行うにあたり知っておくと有用なコツや、統計モデルを作成するときに考慮すべきことなども提示したい。なお、演者はVBMに関する有用なリソースやSPM統計の基礎の日本語訳を提供している。興味のある方はhttp://www.nemotos.net/?page_id=127を参照されたい。

【チュートリアル予定】
2013年9月1日(日)PM 包括脳夏のワークショップ(名古屋国際会議場)にて
2014年1月25日(土)AM-PM 東京大学医学部附属病院にて
詳しくは、包括脳疾患拠点ホームページhttp://cbsn-mri.umin.jp/index.htmlに掲載致しますので、ご覧ください。


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