グリアの機能形態学
EL6
グリアの機能形態学
○木山博資1
○Hiroshi Kiyama1
名古屋大学大学院医学系研究科・機能組織学(解剖学第二)1
Nagoya University Graduate School of Medicine1

" 最近のグリア研究は爆発的な発展をみせている。実際本大会でのグリアに関連する研究発表もきわめて多い。その結果、教科書レベルと研究の第一線との乖離が進んでいる。そのギャップを埋めるべく、とりわけ神経解剖学や神経組織学を体系的に学んでいない大学院生やジュニア研究者を対象に、グリア形態の多様性とその特徴、さらに多様な形態から生まれる多彩な機能について、グリア機能に関する基礎研究のトピックスを織り交ぜながら紹介することが本教育セミナーの目的である。そこで、以下のキーワード・センテンスを結んで、ミクログリアやアストロサイトを中心に多様なグリアの形態と機能について紹介したい。 (1)ミクログリアの機能形態:ミクログリアはどこから来たのか、ミクログリア形態の七変化、IL1-betaはどの様に放出されるのか(インフラマソーム、マイクロベシクル)、シナプス形成や剪定に関与するミクログリア、アルツハイマーのリスクファクターとミクログリア(TREM2)、ミクログリアの貪食能と神経保護作用、慢性ストレスとミクログリア。 (2)アストロサイトの機能形態:アストロサイトの形態の多様性(脳内各部に存在するアストロの仲間達)、神経細胞と外界(血管や脳室)を結ぶアストロサイトと上衣グリア、トリパータイトシナプスとその破綻、脳の局所活動を維持するアストロサイトネットワーク(脳血管拡張作用、乳酸の輸送)。 (3)オリゴデンドロサイトの機能形態:軸索再生の阻害、軸索の保護維持 (4)シュワン細胞の機能形態:無髄シュワンと有髄シュワン(radial sorting, Remak bundle)、ターミナルシュワン、シュワンと線維芽細胞。"


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