委員会

委員長便り

【日本神経化学会】委員長だより(シンポジウム企画委員会

 シンポジウム企画委員会の委員長を拝命しております仲嶋一範です。「シンポジウム企画委員会って、一体何?」「大会プログラム委員会とどう違うの?」と思われる方は多いでしょう。正直に言いますと、私もその一人でした。昔理事会の末席に加えていただいたときに、初めてその役割を理解できた委員会です。
 毎年の大会では会員から様々なシンポジウムが提案され、プログラム委員会での審査を経て採択された提案が、大会のプログラムを飾る主要な企画群として設定されます。大会ではシンポジウムに参加し、そこで議論することを楽しみにされている方は多いかと思いますし、若い方にはシンポジウムで将来発表することを目指して頑張ろうと思う方も多いのではないかと思います。
 
 そんな大会の花形ともいえるシンポジウムですが、よく考えてみますと、大会長をはじめ大会のプログラム委員会の構成員は毎年変わりますし、シンポジウムの提案者やその内容も、ボトムアップである以上毎年様々です。その時々の研究の潮流に沿った企画をシンポジウムとして立ち上げて議論することはとても重要ですが、一方で、毎年時流に任せてコロコロ変わるのではなく、日本神経化学会として持続的に守っていきたいコアな部分があるとしたら、それを反映できる企画を理事会の責任で考えていくことも大切なのではないか、ということで立ち上がったのがこのシンポジウム企画委員会なのだと私は理解しています。
 
 つまりこの委員会のミッションは、日本神経化学会としてのアイデンティティにも関わる「本学会らしさ」を追求し、それを理事会企画シンポジウムとして具体化していくことにあります。本学会の会員向けにアピールする以外に、本学会の外にこの学会のプレゼンスをアピールする目的で、公開で行うこともしばしばあります。
 
 小泉理事長からの命(メール)でこのシンポジウム企画委員長を拝命することになりましたが、そんな重要なミッションを、私だけで担えるはずがありません。そこで、日本神経化学会がカバーする各領域を代表して活躍されている面々にお声がけし、委員として加わっていただくことをお願いしました。幸い皆さんご快諾下さり、現在の委員会を構成することができました(味岡逸樹先生、池中建介先生、伊藤美菜子先生、鳥塚通弘先生、三浦正幸先生、村松里衣子先生、和氣弘明先生)。このメンバー構成を見て、これで委員長としての仕事の大半は終わったようなもので、あとは楽に違いないと思われたそこのあなた、正解です。
 この9月の大会でも、委員の伊藤美菜子先生と、委員から推薦された山中宏二先生によるオーガナイズで、おかげさまで神経と免疫のクロストークに関する素晴らしい企画を提案していただくことができ、私自身もとても楽しみにしております。
 
 原点に帰って、「本学会らしさ」とは何か?それを決めるのは、本来は委員会でも理事会でもないはずです。一人ひとりの学会員が、ご自分の声を委員会や理事会に届けていただければと願います。この規模の学会だからこそ、自分の学会として育てていきたいと思えるような学会になっていく可能性を持っていると考えています。
 
 
シンポジウム企画委員会
仲嶋一範

(2020年8月20日)