光遺伝学はじめの一歩
EL8
光遺伝学はじめの一歩
○山中章弘1
○Akihiro Yamanaka1
名古屋大学1
Nagoya University1

"光遺伝学は近年開発され急速に発展している神経科学の研究手法である。特に神経回路の動作原理の解明には不可欠なツールとなっており、全分野中から最も優れた新しい研究手法としてNature誌が選ぶMethod of the year 2010にも選ばれている。既に2005年の発表から10年近くが経過しており、意識下に自由行動する動物個体を用い、狙った神経細胞の活動を高い時間精度で制御可能な実験手技として普及定着しつつある。同技術の普及に伴い新たに導入する研究者も増えるため、改めて光操作技術の要点と導入のために必要な機器や技術についてまとめる。また、簡単な原理や実際に同手技を使って研究を開始したときに陥りやすいポイントなどについても概説する。
光遺伝学を用いて、狙った神経細胞の活動を操作し、行動制御に成功するには、
1.チャネルロドプシンなどの光活性化タンパク質を目的の細胞だけに十分な分子数発現させる。
2.その細胞に十分な光量の光を照射する。
3.行動解析する。
という3つのステップを超える必要がある。現在は様々な光遺伝学用の試薬や実験機器などが販売され始めており、導入に向けてこれらステップのハードルが下がっている。これまで興味はあったけど二の足を踏んでいた方、全く知らなかったけれども、使ってみたいと思われる方、
「光遺伝学いつはじめるか?今でしょ!」"


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