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日本神経化学会事務局



〒160-0016
東京都新宿区信濃町35
信濃町煉瓦館
(一財)国際医学情報センター内
TEL:03-5361-7107
FAX:03-5361-7091
E-mail:jsn@imic.or.jp
 

会員の皆様へ

 

理事長挨拶②

日頃より会員の皆さまには学会の運営、活動にご協力を賜りまして厚く御礼申し上げます。日本神経化学会はおかげさまをもちまして1958 年の設立以来順調な発展を遂げ、先日第60 回記念大会を福永浩司大会長のご尽力のもと仙台の地で開催することが出来ました。60 年と言いますと還暦と言う言葉がすぐ思い起こされます。我が身を振り返りますとあっという間の60 年でしたが、その時その時の出来事を一つ一つ思い返しますと、実は非常に長い年月であったと言うことも実感されます。学会の歴史を振り返りますと、皆さまの頭の中にはどのようなことが去来するでしょうか。

 私は、日本神経化学会が歩みましたこの60 年の間、諸先生の並々ならぬご努力が有り、高い志とほとばしる情熱があり、そしてその中で育った優れた後進が次々と先輩を超えていき、今に至ったのではないかと考えております。研究はワクワク、ドキドキの世界ですが、サイエンスに真摯に向き合い、かつサイエンスを楽しむ土壌が学会全体に浸透したがゆえの60 年と考えています。これからは、60 年の伝統というものを単に維持するのでなく、日本神経化学会の歩むべき道を明確にして、良いところは伸ばし、あらためるべきところは是々非々で臨み、一歩一歩会員の皆さまとともに次の高みに登っていきたいと考えております。あらためましてご支援、ご協力をお願い申し上げるしだいでございます。
 私の理事長としての抱負ですが、前理事長の今泉先生が果たされました改革をさらに推進し伸ばすことが務めと思っております。私の任期中に、①学会財政の健全化、②理事会、委員会活動の透明性強化と会員の皆さまとの情報共有促進、③会員満足度の向上と学会のブランド化を進めたいと考えております。既に理事の先生方や委員会委員の先生方のご協力のもと、いくつかの変革が進んでおります。

 ①の財政健全化につきましては、大会プログラム集の作成について学会と切り離し大会長の裁量で自由に編集できるようにしました。学会誌「神経化学」のペーパーレス化につきましても会員アンケートを実施し、その方向性を先日の総会で承認を頂きました。1 年後からはペーパーレス化を実施したいと考えております。印刷物として欲しいというご要望も一部にはありますので、ご希望の方には実費という形で今後提供を続けたいと考えております。このように支出のあり方を見直し、収入増を図り、学会活動に必要なところには投資を惜しまないという経営で臨みたいと考えております。今後も会員の皆さまには施策上必要に応じてアンケートをお願いすることが出てくるかと思いますが、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 ②の透明化と情報共有につきましてはすでにご案内しましたように、まず今回初めて委員会委員を公募し、多数の会員の応募を頂きました。役員、委員の選出につきましてお友達人事にならぬよう適材適所の精神をこれからも推し進めます。また、学会ホームページにおきまして理事長だけでなく、役員、委員会委員長の写真と抱負などを掲載するようにしました。役員の顔と名前が会員の皆さまの中で一致することが大変重要です。さらに役員、委員会委員の考えが分かれば、共感にしてもご批判にしてもフィードバックいただきやすくなると考えております。
 ホームページにおける「見える化」だけでなく、理事長便りを随時メール配信し、フェイスブックからも発信しております。さらに仙台大会では「理事長と話をしてみよう」コーナーを設けました。今後も会員の皆さまとの対話を継続し、発進力強化に努め、頂きましたご批判、ご要望の声に一つ一つ向き合い改善やご要望の実現を果たしていきたいと考えております。
 委員会の活動につきましては、学会誌でご案内するだけでなく、タイムリーに情報をお伝えできるようメール配信を活用しているところです。委員会のあり方につきましては、臨床の先生方との連携をより深化させるため臨床連携委員会を新設いたしました。また、科学技術は日進月歩ですが、少し離れたところの分野の出来事になりますとなかなか普段のアンテナに引っかかってこないことがあります。学会の活動がガラパゴス化、たこつぼ化することのないようこれまでの連合大会委員会を改め連合大会・多分野交流委員会とし、様々なサイエンスとの連携強化をめざすべく新たなスタートを切っています。

 ③のブランド化につきましては、ブランド化という言葉自体がなじみがないかもしれません。しかし、ブランド化は学会のビジョン、ミッションを適確に理解いただき、学会活動に対する賛同を内外から幅広く集めるために必要不可欠なものです。自分たちで「我が学会は素晴らしい」と言ってもこれはブランド化されたとは言いません。第三者が「日本神経化学会は素晴らしい」と言ってくださって初めてブランドとして認めていただいたことになります。日本神経化学会の特色はなんと言いましても創造性あふれる、源流性に富んだ研究を志向される先生方が集い、多くの優れた研究成果を生み出してきたことにあります。また、切磋琢磨する中にも思いやりのある雰囲気が存在するのも特色です。その雰囲気は個々の教室を越えて学会全体を包みこんでいます。2017 年で10 年を迎えました「神経化学の若手研究者育成セミナー」はその代表例でしょう。金沢大会で初めて催されました「わくわく道場」は昨年復活し、今年も行われました。口演重視の若手用プログラムとして若手育成セミナー同様に今後も発展させ、学会の目玉として定着させていく所存です。
 日本神経化学会が持っておりますこれらの特色は今流行の言葉で言うならばまさに学会のバリューであります。このすばらしいバリューの内容が広く一般の方々に浸透することがブランド化において重要な歩みになります。そのためには、会員の皆さまに満足のいく学会であって、「来年も大会に参加してみよう」と思ってくださることが重要になります。年次大会も単に開催するだけでなく広い意味で経営感覚と戦略を持って臨んでいく必要があると考えております。これらのことを実現するべく新たにブランディング委員会を設けました。従来の各委員会を縦軸としますと横軸機能を持った委員会です。
 日本神経化学会はAsian Pacific Society for Neurochemistryに属し、その上位団体であるInternational Society for Neuroscience の主要なメンバーとして貢献してきています。既にご報告いたしましたが、現在のISN のPresident は会員の池中一裕先生、APSN のPresident は同じく会員の和中明生先生です。
国際組織において日本神経化学会の会員がPresident を務めることは大変名誉なことであります。ISNやAPSN の期待に反することのないよう、日本神経化学会も国際活動におきまして十分な貢献を果たしていきたいと考えております。
 また、既に理事長便りにてご案内いたしましたが2021 年のISN 大会は京都で開催されることが決まりました。日本神経化学会の長年の夢が実現することになります。日本発のすばらしい研究を世界の人々に知って頂くだけでなく、会員お一人お一人が世界中の研究者とお友達になる大変良い機会です。会期は8 月22 日から26 日の予定です。皆さま、ご予定の確保を今からよろしくお願いいたします。
 嬉しいニュースが続きますが、第60 回記念大会におきまして大変ありがたいお話しを会員の先生方から頂きました。次代を担う若手研究者が育ち、学会のメンバーとして今後も継続的に活動いただけるよう新たなトラベルアワードを創設し、また若手育成セミナーの一層の充実に反映していく予定です。詳しくは委員会報告、理事長便りなどでご案内申し上げます。
 今後の大会でありますが、2018 年は仲嶋一範大会長のもと日本生物学的精神医学会との合同年会が神戸(9 月6 日~8 日)で、2019 年は那波宏之大会長のもと久しぶりになりますが日本神経科学学会との合同大会が新潟(7 月25 日~28 日)で行われます。今から日程の確保をお願いいたします。2020 年の詳細はこれからになりますが馬場広子大会長のもと執り行われます。
 日本神経化学会は会員の皆さまが居られてこその学会です。学会の活動は独りよがりでなく広く社会に開かれたものであるべきと考えます。研究は性急にするものでなく、腰を落ち着けて優れた発想のもと地道に行われるべきものです。会員の皆さまが楽しむことが出来、研究成果を上げ、人のつながりの輪が増えていくよう支援するのが私の役割と考えております。そのためにも学会運営へのご批判、ご意見はいつでもご遠慮なくお知らせください。
 次の60 年、日本神経化学会はいかにあるべきかにつきまして最初のご挨拶といたしました。これからもご指導のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

2018年1月 
国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター
神経研究所 所長
和田  圭司




 

 

理事長挨拶①

 
2017年4月から2年間理事長を務めることになりました和田圭司と申します。日頃より会員の皆さまには当学会の運営にご協力を賜りまして誠にありがとうございます。
 日本神経化学会は神経化学懇話会を母体とし、1958年に第1回の大会が開催されました。1962年には会員制度が施行され、学会誌「神経化学」も同年から発行されています。世界には神経化学に関する学会が多数ありますが、その中で日本神経化学会は最も古い歴史を誇ります。
 2017年は設立60周年記念大会が福永浩司大会長のもと仙台の地にて開催されます。また60周年を記念しましてJournal of Neurochemistry誌において特集論文が掲載され、Neurochemistry International誌からは特集号が発行されます。
 60年と言いますと還暦を思い浮かべる方も多いと思います。還暦には生まれ変わるという意味も込められています。当学会もこれまでの歴史を振り返り、新たな気持ちを持ってさらなる発展をめざしたいと考えています。
 日本神経化学会の特色はなんと言いましても研究面では分子を中心に疾病のメカニズム解明に迫ることであり、教育面では議論を中心に学生、大学院生、若手研究者の方々を大事にすることであります。研究の醍醐味を味わっていただき、次代のリーダーとして羽ばたくよう「神経化学の若手研究者育成セミナー」を2008年からスタートさせています。「神経化学の若手研究者育成セミナー」は今や当学会の目玉として成長してきています。
 国際面では、Asian Pacific Society for Neurochemistry (APSN)に属し、International Society for Neurochemistry (ISN)の活動に貢献しています。現在、APSNのpresidentは会員の和中明生氏であり、ISNでは同じく会員の池中一裕氏が現在treasurerとして活躍中です。ISN理事として活躍いただいている会員も複数おられます。つまり当学会は国際的にも大変重要な存在となっています。
 このような国内外の活動は会員の皆さまの日頃からのお力添えがあってこそのものです。改めまして厚く御礼申し上げます。
 今後も神経化学会の特色をさらに伸ばし、また改めるべきところは改めるという是々非々の姿勢で学会運営に臨んでいきたいと考えています。また、新たなことにも常にチャレンジする能動的な学会でありたいと考えています。さらに、学会外の一般の方々に当学会の活動についてご理解とご支援をいただくため常に開かれた学会でありたいと考えています。
 さて、会員の皆さまにとりまして当学会はどのように映っているでしょうか? 学会の運営には会員の皆さまお一人お一人のご意見が大変貴重になります。会員の皆さまから「姿かたち」が見えてこその学会であり、愛されてこその学会であります。自分の知らないところで学会が運営されているという思いをもしお持ちでしたらご遠慮なく私までご意見、ご批判、ご提案をお寄せいただければと存じます。会員の皆さまと一体となった運営こそが当学会のあるべき姿と考えております。お一人お一人が「参加している」という実感を持てるよう会員満足度の高い学会をめざしていきたいと思います。
 当学会は、会員数や財務状況において改善すべきいくつかの課題を抱えています。従来と同じことを行っていたのでは発展は望めません。歴代の理事長をはじめ多くの方々のご尽力で変革は進みつつありますが、まだまだ道半ばです。世の中の状況はめまぐるしく変化しております。真理を追究する科学の姿勢を忘れてはいけませんが、様々なことにも目を向け10年20年30年後のことを考えていかねばなりません。情報社会の現代、AIをはじめ社会に変革をもたらすであろう動きが活発です。たこつぼ化することのないよう、ガラパゴス化することのないよう、開かれた学会として必要なものは取り入れ、常に一歩先を歩む学会でありたいと考えています。また年次大会におきましては、「参加したい大会」とは何かを常に考え、参加する方々にとりまして「来年もまた来よう」と思っていただけるように学会や大会のブランド化を図りたいと思っています。
 研究はワクワクドキドキという言葉が当てはまるように本来楽しいものです。会員お一人お一人が当学会の財産です。ワクワクドキドキの楽しさを共有できる一体感が学会というファミリーを醸成します。今後とも当学会の発展のため、皆さまからのご指導とご協力を心よりお願い申し上げます。

2017年4月 
国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター
神経研究所 所長
和田  圭司

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理事長便り

 
理事長便り
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2018/05/30

理事長便り No.12

| by 学会事務局.
日本神経化学会
会員 各位

夏を思わせるような日が続いた5月でしたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 東京では初夏の風物詩として三社祭りが有名ですが、今年も多くの人で賑わったようです。今年も暑い夏になりそうです。

さて、理事長を務めますと、科学関係の賞あるいは研究助成の授賞式にお招き頂くことがあります。多くの授賞式が東京で行われますが、幸い東京に在住しておりますので、時間が許す限り出席をしております。日本神経化学会の会員の中から一人でも多くの受賞者が出ることを願っておりますので、私が会に出席することで少しでも知己を得、日本神経化学会の名を浸透させることができればと考えております。

生命科学系だけでなく、いろいろな分野のいろいろな方々との交流は楽しいものです。授賞式だけでなく、前回の理事長便りに書きましたような展示会や講演会、あるいはいろいろな会社のインキュベーション・カフェなどで行われているクリエイティブなトークの会、いずれにおいても新たな発見と驚きがあります。

例えば、セルフ・アーカイブという言葉はご存じでしょうか? セルフ・アーカイブの発展型と言えるかもしれませんが、コンピューターサイエンスの世界では、論文になる前のプレプリントをどんどん積極的に自社なら自社のホームページに公表することが当たり前のようになってきています。論文になる前のプレプリントが「価値」を持つようになってきています。このような波は生命科学の世界にも押し寄せてきているかと思います。すでに、そのようなweb上のサイトも立ち上がってきています。

つまり、そう遠くない将来、論文の定義が変わってくるのではないかと思われます。私たちはいま論文といいますと、査読を受けて確立した科学専門誌に掲載されているものを想定しますが、いずれの日か、今私たちがプレプリントと読んでいるものも「論文」になる時が来るのではないでしょうか。論文の定義も変われば査読の定義も変わることになるかと思います。書く側も、読む側も一層の自己責任が問われるような日が来るのではないでしょうか。

そうしますと、業績評価とは何をもってすることになるのでしょうか。今流行のインパクトファクターという物差しは時代遅れになる可能性があります。科学誌に掲載されるものだけが論文ではなくなるからです。専門誌に掲載された論文数と言っても意味を持たなくなる可能性すら有ります。

生命科学系では、学会発表よりも科学誌に論文をいち早く掲載することがプライオリティにおいて重要視されますが、今後は他分野のように、方法は何であれ、いち早く公表することが重要になってくるのではないでしょうか。AIの進展は、プレプリントに対して、今と異なった第三者評価を可能にするかと思います。 

神経化学会の年次大会ではその昔抄録は1演題に付き4ページの分量でした。いわゆるproceedingsの形式を取っていました。生命科学の世界も、論文の定義が変化し学会発表がより重要になるとしますと、神経化学会は60年も昔に未来世界を先取りしていたのではないかとすら思えてきます。

今日私が書きましたことは、私個人の予測ですので、そうなるとは限りませんが、いろいろな世界に触れることでいろいろな考え方を持てるようになるのは確かなことかと思います。会員の皆さまにおかれましても普段接する環境だけでなく、知の冒険旅行をされてみてはいかがでしょうか。

梅雨も近づいてきております。どうぞご自愛ください。

平成30年5月28日
理事長
和田圭司
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