若手道場

日本神経化学会では研究者の育成を目的として、学部学生や修士課程・博士課程の学生、学位取得後5年までの若手研究者の皆様に研究発表の機会を提供し、当該研究内容、技術やそのプレゼンテーションに対し様々な視点から、複数のアドバイザーが助言を与えています。

優れた発表を行った方には、賞状(優秀発表賞)が大会から贈られます。

第64回若手道場優秀発表賞受賞者の発表

2021年10月6日 09時53分
第64回日本神経化学会大会 
若手道場優秀発表賞受賞者の発表


第64回日本神経化学会大会の若手道場は35演題の登録がありました。全ての演題でとても活発な質疑応答が行われ、各発表者の研究に対する熱い思いが感じられる素晴らしいものとなりました。各グループ3名の審査員による審査が行われ、12名の方に優秀発表賞を授与することとしました。
 
受賞者は以下の通りです。(50音順)

稲垣 良(東北大学)
ATP感受性カリウムチャネル Kir6.1の扁桃体依存性恐怖記憶の形成における役割

抱 将史(京都大学)
慢性脳低灌流に伴う認知機能障害および白質傷害に対するTRPA1の保護的役割

加瀬 義高(慶應義塾大学)
ヒトのニューロンにおける神経突起伸長メカニズムの解明と神経突起伸長化合物の探索

川邉 陸(九州大学)
侵害刺激は下行性ノルアドレナリン神経シグナルを介して脊髄後角アストロサイトを活性化する

榑松 千紘(名古屋市立大学)
ミクログリアはフォスファチジルセリン依存的に成体新生ニューロンのシナプスを貪食する

須山 真聡(富山大学)
ニクジュヨウエキスによる後縦靭帯骨化症モデルマウスの運動機能改善作用

銭 映美(慶應義塾大学)
ヒト多能性幹細胞から誘導される抑制性神経細胞のサブタイプごとの可視化の試み

辰本 彩香(同志社大学)
タウの欠損が微小管の安定性およびその他の微小管結合タンパク質に及ぼす影響


長瀬 綸沙(富山大学)
骨格筋萎縮はヘモペキシン分泌を増加させアルツハイマー病の認知障害発症を加速する

西川 将司(愛知県医療療育総合センター)
知的障害責任分子RAC3の大脳発達における生理機能と分子病態機構の解明

松本 真実(生理学研究所)
正常脳と傷害脳内において鎖状移動する新生ニューロンの細胞間接着制御

横山 貴一(慶應義塾大学)
髄鞘形成前オリゴデンドロサイトを可視化する


審査の結果はいずれも僅差であり、今回受賞できなかった方々もまた次回以降チャレンジしていただければと存じます。また受賞された方々はこれを励みに更なる飛躍を期待しております。


第64回日本神経化学会大会大会長
和中明生
 
若手育成委員会委員長からの総評:
本年の若手道場は録画(もしくはライブ)での10分の研究発表と10分のライブでの質疑応答により執り行われました。発表者全員がしっかりと発表時間を守りつつ、それぞれ工夫を凝らした発表をされていたと思います。また、質疑応答ではきちんとした受け答えができており、皆さんがしっかりと自分の研究テーマを理解して発表していたことがわかりました。積極的に質問する姿勢も良かったです。今回から、審査員の方から発表者の皆さんに個別にコメントを頂いております。これからメールで順次送らせていただきますので、今後の研究活動の参考にしていただければ幸いです。
残念ながら受賞に至らなかった方は、今回の若手道場で学んだことを生かして、来年以降も引き続き挑戦していただきたいと思います。また、受賞者の皆さんもこれに満足することなく、今後も若手道場を研究者として成長する場所の一つとして捉え、引き続きご参加いただければと思います。


若手育成委員会委員長
照沼美穂
 
 


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