理事長だより 1
2019年6月26日 08時00分 和田前理事長に倣って、理事長だよりとして現在の学会のこと、これからの学会のこと等を皆さんにお伝えしようと思います。
3月の理事会の後に、偶々小ぢんまりとした歴史情緒あふれる街をいくつか訪れる機会がありました。その中でスウェーデンのUppsalaの(ウプサラ)の話を少しだけ述べます。学会参加記を書くわけではなくて、何となく日本神経化学会に重なって見えたことを、最初の理事長だよりとしてお伝えしたいと思います。
ロンドン等の一部の都市を除くと、欧州にはあまり大きな街は無く、その国の政治や経済の中心として機能している街でも、意外と小さくてびっくりすることがよくあります。小さくても魅力や迫力は十分で、小さいからこそ色々なものが凝集されていて、かえって輝いているようにも見えます。ウプサラは北欧最古の大学であるウプサラ大学を有する有名な大学街です。しかし、サイズはとても小さく、一日あれば散策できてしまうくらいでした。3月初旬とはいえ、雪が舞い、気温はマイナス10度以下。行動範囲が限られたのでなおさら町が狭く感じました。古い大学、大聖堂、ウプサラ城、それだけですが(本当はもっといろいろあると思います)、自信たっぷりにその存在を強く主張しているように思えました。古ければよいというものではありませんが、良いものはきちんと維持し、次の世代に受け継いでいく姿勢は、当たり前のことですが、素晴らしいと思いました。一方でウプサラでは、完全キャッシュレス化徹底しており、普段の生活で現金を使うことはほぼ無いとのことでした(スウェーデンの国策とのことですが)。実際、滞在中に現金(スウェーデン・クローナ)を見ることは一度もありませんでした。現金が使えない店が圧倒的ですし、電車等切符の自販機にはもはやお札やコインの挿入口さえありません。ソフト面でもハード面でもキャッシュレス化が見事に出来上がっていました。歴史や伝統は大事にしているのですが、やたらと革新的。ウプサラの街を、日本神経化学会の将来に重ねてみて、なんとなく本学会の進むべき方向性が見えてきたように思いました。これからの日本神経化学会を考えたときに、どのように変化・進化しようか、との思いが先走ったのですが、大切な伝統をきちんと継承すること、が先ずは大切であるとの思いを再認識しました。伝統の継承と改革、少し大雑把ですがこれを活動方針として、日本神経化学会の活動を進めていきたいと思います。詳細は、今後の理事長だよりにて少しずつ配信いたします。
平成31年3月