委員会

委員長便り

【日本神経化学会】委員長だより(優秀賞・奨励賞選考委員会)

 優秀賞・奨励賞選考委員会の委員長を務めております等 誠司です。優秀賞・奨励賞選考委員会は、私と6名の委員の方々(今泉 和則先生、小野寺 理先生、工藤 喬先生、津田 誠先生、馬場 広子先生、林(高木) 朗子先生)で活動しております。

 本稿を書いている2020年7月の時点で、第63回日本神経化学会大会もWeb開催に変更となり、大会長の馬場先生をはじめ運営関係者の皆さまのご苦労は察するに余りあります。会員の皆さまにおかれましても、新型コロナ禍で研究や教育活動において新たな取り組みを迫られていることと存じますが、新しいことに挑戦することは研究者の最も得意とすることだろうと思いますので、この困難な時期を乗り越えた暁には、さらに良い研究環境が構築されるものと信じております。

 さて、今年の優秀賞・奨励賞の選考を終えて、若干の感想を述べたいと思います。今年の大きな特徴として、応募者がここ数年と比べて大幅に減少したことが挙げられます。

 新型コロナ感染症の影響で、学会参加が可能かどうかわからない、といった理由もあったかもしれません。しかしながら、もっと多くの方にチャレンジして欲しかったと思います。優秀賞・奨励賞は、単に業績の数やインパクトの大きさのみで評価されるのではありません。独自の視点でユニークな研究を行っているかや、細切れの研究ではなく大きな目標に向かって研究を積み重ねているか、なども重視されます。

 若手を対象とする奨励賞では、日本神経化学会で積極的に活動しているかどうかも重要な評価ポイントになります。本会は、若手の意見を汲み取って要望に応えたい、若手が元気よく声を出せる場を提供したい、という理念を共有して活動しております。奨励賞への応募は、自分の研究をアピールする場であると同時に、自分の研究を見つめ直す機会にもなります。たとえ採択されなかった場合でも、何が足りなかったのか、どうすれば研究をブラッシュアップできるのか、選考委員に質問しても良いと思います。私は、そのような気迫溢れる若手研究者を大歓迎しますし、その結果として皆さまの研究が活性化されれば、これに勝る喜びはありません。

 今年は大会の様相も例年と大きく異なると思われますが、本会の特徴である相手の顔が見える学会、徹底的に議論できる学会が復活し、皆さまとディスカッションできる日を楽しみにしております。

優秀賞・奨励賞選考委員会
等 誠司

(2020年7月31日)