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議事録

1998年度(平成10年度)第2回理事会議事録

日本神経化学会
1998年度(平成10年度)第2回理事会議事録

日時:
1998年9月20日(日) 14:00~16:30
会場:
パレスビル C会議室
出席者:

小宮義璋、三木直正、植村慶一、加藤泰治、熊倉鴻之助、栗山欣弥、高坂新一
高松 研、辻 省次、遠山正彌、融 道男、野村靖幸、芳賀達也、御子柴克彦
佐武 明、中嶋照夫(監事)
宮本英七(国際対応委員長)
竹田 稔(科研費調査委員長)
池中一裕(シンポジウム企画委員長)
古市貞一(第41回大会組織委員)
中村重信(第42回大会長)、三森康世(第42回大会組織委員)

欠席:

井原康夫(理事)

議 題

1. 庶務報告

加藤庶務担当理事より、庶務報告が行なわれた。

会員数(平成10年7月31日現在) 2,013名
名誉会員9名
一般会員1,792 名
学生会員175 名
賛助会員23 名
団体会員14 名

新入会員(平成9年9月1日以降)142名
退会者 (    〃     )207名

物故会員
齋藤 喜八先生(評議員/大阪大・歯・薬理)
戸田 裕之先生(杏林大・医・共同施設RI部門)
山崎  誠先生(秋田大・鉱山)
竹下 英康先生(南ヶ丘病院)
2. 出版広報報告

熊倉出版広報担当理事より、報告が行なわれた。

(1) 「神経化学」出版の件

例年、2号をプログラム号、3号を抄録号として大会事務局で作製していただいているが、本年は合同大会のため合同大会事務局の作製となった。合同大会における抄録がA4サイズのため、予め理事会の了承を得て本学会の37巻2号(プログラム号)及び第3号(抄録号)もA4サイズとした。

抄録号について印刷会社の手違いにより、神経科学学会に係る原稿と差違えによる印刷ミスが発送直後に判明したため、早急に対応策を検討し下記の処置を取った。

  • 正誤表を印刷会社より全会員に送付した。
  • 500部を印刷し直し、理事・名誉会員・賛助会員・団体会員及び寄贈先各機関に再送付した。また、希望者には刷り直した抄録号を大会会場で取り換えることとした。
  • 大会会場に神経化学会の評議員会/総会の案内を掲示して周知させることとした。
(2) 第40回日本神経化学会英文抄録掲載の件

昨年、松山で開催された大会の英文抄録についてはDr.Lajthaより「Neurochemical Reseach」1999年1月号に掲載されるとの連絡を受けている。

今回より英文抄録原稿の受渡しが従来のペーパーから電子ファイル形式へと変更されたが、書式についての双方の打合せが不十分だったために、書式を直すのに時間を要しており例年よりも掲載が遅れている。

第41回大会の英文抄録についても同様の問題が生じることが予想されるため、事前にDr.Lajthaと大会事務局との間で打合せをしていただくこととした。

また、Dr.Lajthaからの提案で、第40回を記念する大会なので、塚田裕三先生が第40回大会特別講演で講演された「神経化学と共に50年」を英文におまとめいただいたものを英文抄録と一緒に掲載させていただくことになっている。

(3) ホームページの件

本学会のHP(http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/jsn/index.html)を文部省学術情報センターのAcademic Society Home Village(http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/ )に移管する作業が終了した。今後、学会のHPをどのような形で充実させていくのかを課題としていきたい。また、ISNが中心となって管理しているWorld Neurochemical Societies(http://www.umich.edu/~neurchem/)というHPにリンクを張った。

このHPにはISN、APSN、ASN、ESN等にもリンクが張られている。

3. 委員会報告の件
(1) 科研費調査委員会

竹田委員長より平成11年度科研費審査委員候補者推薦の件について説明があり、引続き小宮理事長より補足説明がなされた。

  • 平成11年度科研費審査委員候補者推薦の件

    本学会では、昨年、平成10・11年度第1段審査委員候補者選出選挙と平成11年度第2段審査委員候補者選出選挙を実施した。

    第1段審査委員については、得票順に上位より6名を候補者として推薦し、そのうち3名が審査委員として任命された。

    通常、審査委員の任期は1年だが、本学会としては慣例として2期継続して任命されるという理解をしていた。

    しかし、日本学術会議から届いた平成11年度第1段審査委員候補者推薦依頼では、3名の委員のうち、平成11年度も継続して委員を任命される予定の者は1名のみであり、残る2名の審査委員枠については、委員数の倍数(4名)を新たに候補者として推薦するようにとの指示だった。

    本件に関しては、昨年「平成10・11年度第1段審査委員候補者選出選挙」として選挙を実施しているため、昨年の選挙結果は平成11年度第1段審査委員候補者推薦にあたっても継続して有効であるとの見解が小宮理事長より示された。従って、昨年の平成10・11年度第1段審査委員候補者選出選挙の上位得票者のうち、平成10年度に委員を任命された3名を除いた上位4名を推薦した。

    平成11年度2段審査委員候補者については、薬理学会との申合書通りに推薦依頼がきたので昨年実施された平成11年度第2段審査委員候補者選出選挙結果の上位2名をそのまま推薦した。

    また、平成11年には平成12・13年度第1段審査委員候補者選出選挙を実施する予定である。

  • 科研費の採択状況について

    細目「神経化学・神経薬理学」での平成9年度及び10年度の採択件数は若干増加傾向にあり、27%程度の採択率を推定している。

    また文部省では審査終了後に審査委員を公表するようになっている。色々な分野で幅広く「神経化学」の研究題目が重なっており、ディスクロージャーされた情報を見ると関連の細目において本学会に関与されている先生方の活躍も目立つ。

    合同大会を機に、こういった情報を活用し、今後、本学会が進む方向性を考える材料としていきたい。

(2) 国際対応委員会

宮本委員長より以下の報告がなされた。

  • ISNの件

    今年、ロシアで開催されたESN においてISNのカウンシルが開かれた。席上で第18回国際神経化学会(2001年/ブエノスアイレス)のProgram Committe のChairman として池中一裕教授が選出された。

    JSNとして池中教授をサポートするワーキンググループを国際対応委員会の下部機関として1999年度より発足させることが了承された。またグループの人選は宮本委員長、池中教授で進める事とした。また、ISNでは会員の拡充を図っており、日本神経化学会会員でISNに加入していない人に、入会を呼びかけてはどうかという提案がなされた。

    尚、来年、ISNのカウンシルの改選選挙が行なわれる。JSNとしては御子柴克彦教授を推薦したいと考えている。

  • APSNの件

    今年、韓国で第4回APSNが開催された。次回第5回は2000年にオーストラリアで開催される予定。第6回については2002年にシンガポールで開催される予定だが、開催を2003年にずらしてISNとAPSNを合同で開催する案を検討している。

    尚、韓国でのAPSNが終了したのに伴い、首脳陣が変更された。日本からは宮本英七教授が財務担当理事を、植村慶一教授・御子柴克彦教授が理事をお務めになられている。

(3) 研究助成金等候補者選考委員会

御子柴委員長より以下の報告がなされた。

1)平成10年度推薦状況
  1. ファイザーヘルスリサーチ振興財団
    応募なし
  2. 日産学術研究助成

    一般研究(学会内応募3件)

    岡村  均氏(神戸大学医学部解剖学第2講座)
    「哺乳類時計遺伝子発現制御機構の研究」

    森山 芳則氏(大阪大学産業科学研究所)
    「生体リズムホルモン・メラトニンの合成・分泌制御に関する研究」


    奨励研究(学会内応募2件)
    応募なし

  3. 内藤科学振興財団
    応募なし
  4. 井上学術賞(学会内応募2件)

    森   啓氏(大阪市立大学医学部老年研究部門)
    「アルツハイマー病における老人斑形成機序に関する基礎医学的研究」

  5. ブレインサイエンス振興財団(大会会期中の委員会にて選考予定)

    研究助成(学会内応募2件)
    海外派遣研究助成(学会内応募1件)

2)平成9年度採択状況
  1. ファイザーヘルスリサーチ振興財団
    不採択
  2. 日産学術研究助成
    不採択
  3. ブレインサイエンス振興財団
    不採択
(4) 将来計画委員会

三木委員長より以下の報告がなされた。

大会会期中に開催される委員会において、合同大会の評価をどのような形で行なうかを検討したい。今後の学会の活性化のためにも会員に対してアンケートを実施したいが、アンケートの内容については郵送による持ち回りによって事前に理事会に諮る予定でいる。

尚、アンケートは年内に実施し、2月に開催される次回の理事会で集計結果を報告したい。

また、過日、学会宛に科学技術会議より「クローン技術に関する基本的な考え方について(科学技術会議クローン小委員会中間報告)」のうち特に「人のクローン個体の産生に関して」意見を求められた。理事長より、将来計画委員会において意見をまとめるようにとの指示があり、大会会期中の委員会で取り纏めて回答する予定でいる。

(5) シンポジウム企画委員会

池中委員長より以下の報告がなされた。

今回3回目を迎える公開シンポジウムは病態を分子レベルで解明する事を主眼として継続したテーマで行われている。

委員会は基礎医学者4名、臨床医学者4名で構成され、シンポジウムのオーガナイザーについても基礎・臨床から1名ずつが当たるようにしている。

今年より予算措置を取っていただいたので、ポスターを作製し、評議員各位に単独で送付したが、来年以降はプログラムもしくは抄録に同封して送付し、郵送代の節約を検討したい。

また、会告掲載依頼も大会とは別に公開シンポジウムとして雑誌社等に依頼したが、今後は他学会の例を参照して、大会の会告掲載とカップリングとし、相乗効果を狙っていきたい。

他学会の公開シンポジウムでは文部省科学研究費補助金研究成果公開促進費「研究成果公開発表(C)で補助金を受けている例もあるので、本会でも今後申請を検討する事とした。

尚、申請はシンポジウム企画委員会が主体となり理事長名で学会として申請する事になる。

4. プログラム編成報告

御子柴大会長より、以下の報告が行なわれた。

第41回日本神経化学会大会は第21回日本神経科学学会との合同大会として開催されるため、プログラムは全体的に両学会をカバーするように編成した。

1) 演題数集計結果
特別講演5題
シンポジウム11セッション 54題
ミニシンポジウム15セッション 70題
一般演題(ポスター発表)1126題
チュートリアルセミナー6セミナー  19題
総演題数1274題
2) 特別講演
最近の脳神経研究で特に著名な業績をあげている5名にお願いした。
3) シンポジウムとミニシンポジウム
「神経化学」36巻4号で公募した。特に研究の進展が著しくトピックスとなっているテーマについては、予めシンポジウムに8枠、ミニシンポジウムに9枠を指定テーマとして設けた。応募のあった18テーマ(シンポジウム9、ミニシンポジウム7、分類不明2)について審議した結果、指定枠を含めてシンポジウム11テーマ54演題、ミニシンポジウム15テーマ70演題を採用した。
4) 一般演題(ポスター発表)
一般演題はすべてポスター発表とした。不採択のものはなく、演題を各カテゴリー毎に分類して発表することとした。
5) チュートリアルセミナー
最近の脳神経研究では多種多様な新しい解析法の導入がなされており、特に最新の研究技術の開発・応用には目を見張るものがあることから、最新の機器・試薬の原理や応用の紹介と技術交流するためのチュートリアルセミナーを関連機器・試薬メーカーを対象に公募した。6社より本学会にふさわしい企画の応募があり、すべて採択された。
6) プログラム委員会
高坂新一(委員長/精神・神経センター)、石川紘一(日本大・医)、岡本 仁(理研・脳研)、北村邦男(埼玉医大)、楠 進(東京大・医)、熊倉鴻之助(上智大・生命研)、小宮義璋(群馬大・医)、高橋正身(三菱化学生命研)、高松 研(東邦大・医)、西川 徹(精神・神経センター)、芳賀達也(東京大・医)、古市貞一(東京大・医科研)、御子柴克彦(東京大・医科研)
5. 会計報告

高坂会計担当理事より、平成10年度会計中間報告(平成10年1月1日~7月31日)及び平成10年度決算見込報告があり了承された。

6. 平成11年度予算の件

高坂会計担当理事より、平成11年度予算(案)の説明がなされ了承された。

尚、「大会運営補助費」は平成4年度より30万円から50万円に増加し、更に平成8年度より現行の75万円に引き上げられているが、昨今の経済状況や学会開催に対する寄付行為への厳しい締付け等を勘案して平成12年度予算から100万円を計上する事とした。

7. 評議員選任の件

下記の評議員候補者を審査し、了承されたため、第1回理事会で承認された4名とあわせて評議員会・総会に諮ることとした。

・中村 洋一(愛媛大・医・生理学)

また、学会の活性化の課題として、今後、評議員や評議員会のあり方を将来計画委員会を中心として継続的に審議していくこととした。

8. 理事改選の件

平成11年2月末日をもって現理事の半数が改選される。「神経化学」37巻4号に公示を行ない、年明けに改選選挙を実施する予定でいる。選挙に先立ち選挙管理委員会を設置し、下記の5名に選挙管理委員会を委嘱することが了承された。

阿相 皓晃(都老人研)、井上順雄(横浜市大)、今泉美佳(上智大)、高橋正身(三菱化学生命研)、藤田 忍(三菱化学生命研)

9. 名誉会員推薦の件

加藤庶務担当理事より、平成9年度第2回理事会でご推薦され、平成10年度第1回理事会で承認された平野修助氏を評議員会・総会に諮ることが確認された。

また、名誉会員推薦書の授与は、名誉会員推薦書を作製するようになった平成8年度の横浜大会より、大会懇親会の席上で行われていたが、今回は合同大会としての懇親会のため、評議員会・総会の席上で執り行うことで了承された。

名誉会員推薦書は学会として極めてオフィシャルなものなので、今後、授与は総会の席上で行い、大会懇親会でご挨拶を頂戴することとした。

10. 第42回日本神経化学会の件

中村重信大会長より、現在の準備状況について説明がなされた。

期日:平成11年9月15日~9月17日
会場:広島国際会議場

尚、日本神経精神薬理学会と一部日程を重複させ、公開シンポジウムを中心にジョイントする方向で検討している。

11. 第43回日本神経化学会の件

第43回日本神経化学会の大会長候補者として複数の候補者が推薦され、理事長から候補者に内意を伺っていただくこととした。

また、他学会との共催等については、将来計画委員会のアンケート結果を見た上で改めて協議することとした。

12. その他

(1)生物科学・学会連合(仮称)の件

過日、参加を呼びかけられていた本連合について、5月8日に東京で第1回目の連絡会議が開催され、13学会(日本遺伝学会、日本細胞生物学会、日本植物学会、日本植物生理学会、日本神経学会、日本神経科学学会、日本生化学学会、日本生態学会、日本生物物理学会、日本動物学会、日本発生生物学会、日本分子生物学会、日本免疫学会)の参加があり、本学会からは小宮理事長・加藤庶務担当理事が出席した。

「化学」「物理学」「数学」は日本学術会議において研究連絡委員会を持ちまとまった活動をしているが、「生物学」ではそういった意味においてまとまりに欠けている。従って連絡会議の場を設けてはどうかというのがそもそもの趣旨だったと理解している。

本連合は当面 1)国家公務員採用試験第一種に「生物」合格者を積極的に採用して欲しいという要望書を関係省庁に提出する 2)教育の面から、所謂「理科離れ」を防ぐために、基礎生物科学と生物学教育の振興を図りたい の2点を主たる目的としており、科学研究費の細目要求や審査委員の選出といった、各学会の利益や営利的目的のための活動はしないが、科学技術立法に関しては大いに指示し積極的に提出していきたいという事で合意を得ている。

今後、運営についての申合せ事項を具体的に詰めていく予定である。