会則・役員・議事録・投稿

議事録

2002年度(平成14年度)第2回理事会議事録

理事会議事録 2002年度 第2回理事会


日 時:2002年7月16日(火)15:00~18:30

会 場:かでる2.7 特別会議室

出席者:御子柴 克彦、宮本 英七、池中 一裕、岡野 栄之、木山 博資、熊倉 鴻之助、高坂 新一、高橋 正身、武田 雅俊、田代 朋子、辻  省次、野村 正彦、馬場 明道、東田 陽博、和中 明生植村 慶一、宮武  正(監事)、野村 靖幸(第45回大会長)、上原  孝(第45回大会実行委員)、五十嵐 修一、成瀬  聡(第46回大会実行委員)

欠席者:小宮 義璋(科研費調査委員長)


議 題

報告事項

1.庶務報告

池中庶務担当理事より、以下の報告がなされた。

(1)会員状況

会員数(2002年6月30日現在)

名誉会員     13名

正会員   1,484名

学生会員    258名

賛助会員     22名

団体会員     13名

新入会員(平成13年8月1日以降)  103名

退会会員(    〃    )  132名

尚、入退会者の会員種別内訳は新入会員(正会員57名・学生会員46名)、退会会員(正会員105名・学生会員27名)だった。

 

物故会員

増山 善明 先生(東京労災病院)

木皿 憲佐 先生(東北薬科大学)

斎藤 章二 先生(日本大学)

吉川 政己 先生(老年学・老年医学研究室)

 

2.出版・広報報告

岡野出版広報担当理事より「神経化学」41巻1-3号の発行状況が報告された。奨励賞受賞者にはミニレビューを執筆していただく事になるので、今回の受賞者にも執筆依頼をする予定。41巻1号には昨年度の奨励賞選考シンポジウム講演者の中からも執筆を依頼した。長期的な問題として、国際化に向けて「神経化学」の英文化の問題がある。この問題については国際対応委員会、将来計画委員会等とも相談し将来的な課題としていくべきだと考えている。学会HPへの投稿も必ずしも活発ではないため会員に広報していきたい。

 

3.委員会報告

(1)国際対応委員会

東田委員長よりJSNの国際化についての問題提起がなされ、大会抄録の英文化の問題や、英文抄録のあり方について検討された。日本神経化学会の通常の活動紹介は引き続きISNのニューズレターを利用することとした。

(2)研究助成金等候補者選考委員会

馬場委員長より下記の報告がなされた。

平成13年度採択状況

東レ科学振興会科学技術研究助成1件

ノバルティス科学振興財団研究集会助成1件

今後は学会内の応募者数が学会推薦枠内であっても、学会として充分推薦に値するかどうかを委員会で検討することとした。

(3)科研費調査委員会

欠席された小宮委員長に代り熊倉委員より、日本薬理学会と「科学研究費補助金の配分に係る細目『神経化学・神経薬理学』の審査委員の推薦に関する申し合せ書」を改定し新たに締結しなおした事が報告された。また、本学会では科研費審査委員候補者選出選挙を2年に1度行い、2年分の候補者を選出しており来年は選挙を行う年にあたる。理事選挙も2年ごとの改選となり来春選挙を実施する予定ため二つの選挙を同時に実施してはどうかという提案がなされ了承された。

(4)将来計画委員会

田代委員長より以下の報告がなされた。

学会の活性化の方法として、他分野で神経化学に関心を持っている研究者をどうやって本学会に取り込んでいくのかを検討していきたい。また学会として“Journal of Neurochemistry”の価値を積極的に認識し周知してはどうかという意見があった。

(5)シンポジウム企画委員会

武田委員長より以下の報告がなされた。

今回のオープンシンポジウムは「心と行動を分子で読む」という企画で行うこととした。オープンシンポジウムはどのようなスタンスで企画をするかという事が問題となる。委員会としては「学会を代表し大会のコアとなるシンポジウム」「現在会員ではない若手研究者にアピールし新規に会員を獲得するためのシンポジウム」「大会開催地の振興、地元の関心を呼び起こすシンポジウム」の3種類があると理解している。今回のシンポジウムは判りやすいテーマで地元の研究者を中心に講演者を選んだ。尚、オープンシンポジウムの抄録はなるべく和文・英文の両方を出してもらい、学会の大会抄録には英文を載せ、和文はオープンシンポジウムのみの抄録を別途冊子で出す機会があれば載せてはどうかという意見が出された。

 

4.プログラム編成報告

野村大会長より今回の大会の概要が報告された。

1. 演題数集計結果

・特別講演 4題

・招待講演 4題

・国際神経化学会シンポジウム 5題

・オープンシンポジウム 1テーマ(6題)

・シンポジウム 11テーマ(56題)

・ミニシンポジウム 6テーマ(32題)

・一般演題(ポスター発表)229題

2. 特別講演・招待講演

神経化学会会員の研究テーマに関連,または今後の研究に対して有益な情報を与えて頂ける,著明な業績をあげている外国人・国内研究者8名に講演をお願いした。

1)「Neuronal function and intracellular transport:gene, structure, dynamics, function and diseases of kinesin superfamily motor proteins, KIFs」

  Prof. Nobutaka Hirokawa, University of Tokyo

2)「Molecular basis of apoptosis:Bcl-2 family proteins as a life-or-death switch」

  Prof. Yoshihide Tsujimoto, Osaka University

3)「Synaptic plasticity regulated by stargazing and PSD-95」

  Prof. David S. Bredt, University of California San Francisco

4)「Tyrosine hydroxylase phosphorylation」

  Prof. Peter R. Dunkley, The University of Newcastle

5)「Molecular mechanism and hierarchical structure of circadian clock」

  Prof. Ken-ichi Honma, Hokkaido University

6)「Molecular and neural mechanisms of eyeblink conditioning studied with mutant mice」

  Prof. Yutaka Kirino, University of Tokyo

7)「Regulation of nucleocytoplasmic transport and cell proliferation by RanGTPase」

  Prof. Takeharu Nishimoto, Kyushu University

8)「Bulk protein degradation _ Molecular dissection of autophagy」

  Prof. Yoshinori Ohsumi, Natl. Inst. Basic Biol.

3. 国際神経化学会(ISN)シンポジウム

今大会においてISN主催シンポジウムを併催することとなった。御子柴理事長のご尽力で,ISNから$7,000の助成を頂くことができた。また,宮本副理事長にご尽力頂き,テーマ“Molecular Basis of Neuronal Signaling”の下,講演者5名に折衝して頂き,下記の内容でISNシンポジウムが企画できた。

1)Prof. Robert Malinow (Cold Spring Harbor Laboratory, USA)

 ・AMPA receptor trafficking during plasticity

2)Prof. Masayoshi Mishina (The University of Tokyo School of Medicine, Japan)

 ・Molecular genetics of the synapse formation and function

3)Prof. Nancy Y. Ip (Hong Kong University of Science and Technology, China)

 ・Cdk 5: A new player at the neuromuscular synapse

4)Prof. Brian A. Hemmings (Friedrich Miescher-Institute, Switzerland)

 ・Structure, regulation and function of PKB/Akt - a pleiotropic protein kinase involved in multiple signaling pathways

5)Prof. Susan G. Amara (Vollum Institute, Oregon Health Sciences University, USA)

 ・Excitatory amino acid transporters: New insights into structure, function and regulation

4. シンポジウム

シンポジウムの企画を公募したところ11題のエントリーがあった。エントリーされた11題について,プログラム委員にA, B, Cで評価して頂いた(A:上位3-4演題,B:中位3-4演題,C:下位3-4演題)。エントリーされたシンポジウムをなるべく採択すべく,比較的内容が近い2テーマを一つにして,全演題を採択するに至った。また,大会長が企画したテーマを1題追加し,計11テーマを決定した。

5. 日本神経化学会オープンシンポジウム「心と行動を分子で読む」

シンポジウム企画委員会(武田雅俊委員長)企画のオープンシンポジウム1題,「心と行動を分子で読む」を6名の演者で構成することにした。

6. 神経化学会奨励賞選考シンポジウム

奨励賞選考委員会で書類審査を通過した4名につき,1候補者につき,30分間の討論・質疑を行うこととした。

7. 一般演題(ポスター発表・ミニシンポジウム)

一般演題はすべてポスター発表とした。また,エントリー時に口演を希望する演題のうちカテゴリーの類似したものを取り集め,ミニシンポジウムとして合計6テーマを編成した。応募演題の中に、本学会で発表にそぐわないと判断できるものはなく、全てを採択することとした。一般演題総数は229題であり,この内32題をミニシンポジウム(6テーマ)として発表して頂く予定である。なお,ミニシンポジウムは1題につき13分口頭発表,5分質疑応答にあてている。

8. その他

大会の「国際化促進」という趣旨に沿って,プログラム集,抄録集でのプログラムは和英併記とした。また,抄録もなるべく英文とするよう提案した。90%以上が英文抄録となった。

9. 大会企画およびプログラム編成に携わった委員

大会長

野村靖幸(北大・院・薬)

組織委員

井上芳郎(北大・副学長)、有賀寛芳(北大・薬)、五十嵐靖之(北大・薬)、稲垣冬彦(北大・薬)、鈴木利治(北大・薬)、横沢英良(北大・薬)、 浦野明央(北大・理)、小池達郎(北大・理)、高畑雅一(北大・理)、津田一郎(北大・理)、石橋輝雄(北大・医)、小山 司(北大・医)、澤口俊之(北大・医)、田代邦雄(北大・医)、玉木長良(北大・医)、長嶋和郎(北大・医)、西 信三(北大・医)、福島菊郎(北大・医)、本間研一(北大・医)、三輪聡一(北大・医)、吉岡充弘(北大・医)、渡邉雅彦(北大・医)、山本 徹(北大・医療技術短大)、赤池 忠(北大・歯)、鈴木邦明(北大・歯)、伊藤茂男(北大・獣医)、岩永敏彦(北大・獣医)、菊池九二三(北大・遺伝子制御研)、河原剛一(北大・電子研)、栗城眞也(北大・電子研)、下澤楯夫(北大・電子研)、田村 守(北大・電子研)、齋藤利和(札幌医大)、堀尾嘉幸(札幌医大)、南 勝(北海道医療大・薬)、牛首文隆(旭川医大)、千葉 茂(旭川医大)、松原和夫(旭川医大病院)、大熊康修(北大・薬)、上原 孝(北大・薬)、金子雅幸(北大・薬)

プログラム委員

阿部輝雄(新潟大・脳研)、池中一裕(生理研)、井上 健(北大・医)、井ノ口仁一(北大・薬)、植田弘師(長崎大・薬)、岡野栄之(慶應大・医)、小川紀雄(岡山大・神経情報)、小澤寛樹(札幌医大)、柏柳 誠(北大・薬)、神庭重信(山梨大・医)、北村佳久(京都薬大)、久住一郎(北大・医)、木山博資(大阪市大・医)、熊倉鴻之助(上智大・生命研)、高坂新一(国立精神・神経センター)、五嶋良郎(横浜市大・医)、斎藤 健(北大・医)、澤田 均(北大・薬)、澤田 誠(藤田保衛大・総合医研)、平 敬宏(北大・薬)、高橋正身(北里大・医)、武田雅俊(大阪大・医)、田代朋子(青山学院大・理工)、辻 省次(東京大・医)、津田正明(富山医薬大)、遠山正彌(大阪大・医)、仲田義啓(広島大・医)、鍋島俊隆(名古屋大・医)、芳賀達也(学習院大・理)、馬場明道(大阪大・薬)、東田陽博(金沢大・医)、樋口宗史(新潟大・医)、福嶋伸之(北大・医)、古川昭栄(岐阜薬大)、松岡一郎(北大・薬)、松本健一(北大・薬)、柳澤勝彦(長寿医療センター)、山内 卓(徳島大・薬)、米田幸雄(金沢大・薬)

また関連して上原大会実行委員より下記の問題点が報告された。

・演題発表者であっても事前参加登録をする方が少ないので事前に参加登録をしていただいてから演題登録をするシステムにしてはどうか。

・同じラボからの演題申し込みであっても投稿者によって所属名称が統一されていないケースが目立った。またタイトルの大文字・小文字の使い方もばらばらだったのでプログラムを作成する時に不都合が生じた。予め統一した入力をお願いしたほうが良い。

・大会HPが日本語版のみだったため外国人参加者からの問合せに応えるため英語版HPをたちあげプログラムをPDFファイル形式で載せたが、PDFファイルに日本語が混じっていると日本語に対応していない環境ではファイルすべてが文字化けしてしまう事あるという報告があった。

 

5.平成14年度会計中間報告の件

高坂会計担当理事より平成14年度会計中間報告がなされた。


審議事項

1.会費改定の件

会費改定に関しては1997年及び2001年の総会で了承されており、前回理事会で改定金額が決定された。会費改定は会則第6条の改定となるため高坂会計担当理事より会則改定案が提案され了承されたため総会に諮ることとした。

2. 平成15年度予算案の件

高坂会計担当理事より平成15年度予算案が提案され了承された。

3.評議員選任の件

申請のあった評議員候補者1名を審査し了承された。前回理事会で了承された4名と合わせて5名の候補者を総会に諮ることとした。

4.名誉会員推薦の件

候補者を審議し了承されたため総会に推薦することとした。

5.奨励賞の件

現在の日本神経化学会奨励賞は応募者を一次選考(書類選考)して奨励賞選考シンポジウムで講演する4名のシンポジスト(奨励賞候補者)を決め、コンペティション形式で講演してもらい2名程度の奨励賞受賞者を選出していた。しかし、例年、奨励賞選考シンポジウムのレベルは高く甲乙つけがたいため、本年度より奨励賞選考シンポジウムで発表してもらう4名のシンポジストを「奨励賞」受賞者とし、奨励賞受賞者の中から「最優秀奨励賞」を原則として1名程度選出する事とし、奨励賞規定が改定された。尚、最優秀奨励賞受賞者には副賞として10万円が授与されるが、受賞者が2名出た場合には受賞者で賞金を分けていただく事とした。また、この変更に伴い過去の「奨励賞」受賞者に「最優秀奨励賞」を、奨励賞選考シンポジウムのシンポジストに「奨励賞」を遡って授与する事が了承された。

6.第46回日本神経化学会の件

辻次期大会長より大会概要が説明された。次回は日本生物物理学会との合同開催となる。

第46回日本神経化学会 

日時:2003年9月24日-26日

会場:朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)

7.第47回日本神経化学会の件

2004年の次々回は3年に一度の日本神経科学学会との合同大会の年に当たる。日本神経科学学会は2004年度の大会長として大阪大学の村上富士夫教授を内定している。理事長より第47回日本神経化学会の大会長として同じ大阪大学の遠山正彌教授の推薦があり了承された。

8.電子図書サービスの件

本学会は国立情報学研究所(NII)の「学会発表データベース(第七系)」及び科学技術振興事業団(JST)の「予稿集全文データ利用」というデータベース事業の契約を結んでいたが、行政改革の一環により両者のデータベース事業の統廃合が行われ一旦契約を打ち切られることとなった。それぞれの機関において新たな情報関係事業が開始されるため、本学会の対応を検討していくこととした。

9.理事改選の件

池中庶務担当理事より改選理事の確認が行われた。選挙管理委員会の人選については慣例により庶務理事に一任された。

10.その他

JSNの国際化について、ISNとの関係の持ち方、今後のAPSNのあり方等をついて活発な意見が交わされた。