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議事録

2005年度(平成17年度)評議員会議事録

日本神経化学会
評議員会議事録

  1. 日時: 2005 年 9 月 28 日(水) 12 : 00 ~ 13 : 00
  2. 会場:JALリゾートシーホークホテル福岡(アルゴスE・F)
  3. 出席:出席 66 名、委任状 134 名(評議員総数 229 名、定足数 46 名)
  4. 議題:本学会の今後のあり方について(メインテーマ)
  5. 議事:

    遠山理事長より、本日の評議員会では、本学会のあり方について議論したい旨発言があり、評議員一同に以下の問題が提起された。
    昨日の理事会でも、 (1) 学術集会(合同か、連合か)、 (2) 若手研究者の育成(若手を如何に学会に取り込むか)、 (3) q国際化の問題(英語によるオーラル発表、ISN、APSNへの対応)等々について議論した。遺伝子、蛋白レベルでの研究・解析、更に最先端の(技術的な)ものを取り入れていきたい。
    以下、活発な議論が交わされた。

  1. 1 ) 神経化学会の位置づけ(本学会のベースをどこに置くか)
    (意見 1 )

    神経化学会(以下、“本学会”又は“Neurochem”)のこれまでの実績をベースに、これからも家族的でありながら、密度の高い研究(化学の)を重視して行くべきである。これらの面では、他の関連学会にも負けないと自負している。 神経科学学会(以下、“Neurosci”)は会員拡大を目指している。しかし、本学会は数より質を重視していくべきである。 学会発表は英語で行うのがよい。若手への教育、国際交流なども重要である。日本のNeurochemの存在感を高めていきたい。

    (意見 2 )

    参加費を安くして若手にも参加しやすい学会(学術集会)が望まれる。若手が率先して参加したいような学会にしていく。

    (意見 3 )

    NeurochemとNeurosciとの関係について、Neurosciは非常に大きな学会である。その点、本学会がchemistryに重点を置きすぎると、若手はNeurosciに行ってしまう。若手のニーズに近づくことも必要であり、若手にも魅力ある特色を打ち出していく。

    (意見 4 )

    若手に刺激になるような集会を目指す。Neurochemは狭いイメージがある。しかし、分子からスタートしていろいろの分野があり、Neurochemの学会としての特色は堅持していくべきである。

  2. 2 ) 学術集会のあり方(合同か、連合か)
    (意見 5 )

    本学会の基本理念(方針)をどこに置くか。埋没しないようにしなければならない。
    (将来計画委員会から)
    本学会の歴史(発足以来の経緯)を振り返ると、当初、病気(精神・神経)の原因解析を目的に、神経科学懇話会として発足した。本来、脳科学を目指していたが、やがて物質を明らかにするために“化学”に進んだ。今後、脳の機能研究(病気の解明)をどう発展させていくかである。(御子柴委員長より説明)

    (意見 6 )

    NeurochemとNeurosciとの違いは、学術集会のあり方にもある。以前、本学会では討論に十分時間をかけていた。討論を通じて育てられたとの意識を抱いている。その辺がNeurosciと異なる。学会が大きくなりすぎると討論が疎かになる。Neurochemの基本理念は、今後も討論を重視していくことにある。

    (理事会の見解)

    昨日の理事会では、学術集会のあり方(合同か、連合か)として、Neurosciとの合同大会( 3 年に 1 回)は今後も続ける。更に、他の関連学会との緩やかな連合構想を模索していくことを決めた。この方向性について如何であろうか。(遠山理事長より)

    (結論)

    本件については、評議員会でも一定のコンセンサス(以下の 2 点)が得られた。

    1. Neurosciとの合同大会( 3 年に 1 度)は今後も継続する。
    2. 関連学会(神経、或いは精神の名のもとに)との緩やかな連合を推進していく。

    以下、議論は国際問題(国際学会への対応)に発展した。

    (意見の要旨)

    ISN、APSNなどの活動に積極的に関与していくことが重要である。アジアでの活動、例えばAPSNとの合同大会( 2 年に 1 回位)は十分可能性があると考える。またAPSNに理事を送る努力も必要である。
    日米のNeurosciは大きな学会であるが、米国のNeurochemとの協力も考えられる。J Neurochemは権威あり、日本からの投稿も 2 位と評価も高い。彼らが主催するシンポジウムなどは若手にも魅力あるのではないか。

    (結論)

    これらの件について、今後、国際対応委員会で検討することにした。

  3. 3 ) 若手研究者のための勉強会
    若手の育成に関しては、勉強会(サマースクール)の立ち上げ案などを議論した。意見は、(1) 独立した勉強会に学会が協力する案と、(2) 学会主導で行う案などが話題になった。
    また、実施時期は大会とリンクさせるか、或いは独立して行うか、更に回数(年に 1 回、夏冬の 2 回?)などについて意見が出された。
    (意見 7 )

    若手育成の件について、Human networkが重要である。夏季、冬季講習会(勉強会)など交流の場を提供する。幅広い(精神科、他)分野との交流は意義がある。その意味で連合は好ましい。

    (意見 8 )

    若手を呼び込めるような形式で、ある程度資金面での支援も必要ではないか。薬理学会では百数十万円を助成して、「サマーセミナー」( 50 人規模)を実施している。既に 10 数回(時期:毎年 8 月末~ 9 月初旬)行われた。非常にactiveで、若手とベテランの交流も盛んで好評である。また、別企画のTechnical Seminar( 1 日)も好評を得ている。

    (意見 9 )

    学会発表のあり方も重要である。特に、ポスター発表も座長付きで討論する。若手の満足度も上がると考える。

    以下、議論は国際問題(国際学会への対応)に発展した。
    (結論)

    以上、色々な意見が出された。若手の勉強会について、将来計画委員会で企画案を検討してもらうことに、評議員一同から了承が得られた。

    以上を以て、本年度の評議員会を閉じた。