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議事録

2008年度(平成20年度)総会議事録

日本神経化学会
2008年度総会議事録

日時:
2008年9月12日(金)12:50~13:50
会場:
富山国際会議場 2階B会場・C会場
議長:
武田 雅俊 大会長
出席:
出席80名、委任状91名(会員総数1470名・定足数147名)
議事:
1.理事長報告

髙坂新一理事長より挨拶がなされた。
また、国立大学教育研究評価委員会専門委員について報告され、昨年、(独)大学評価・学位授与機構に対し推薦した1名について、同委員への就任が決定されたとのことであった。

2.庶務報告

米田幸雄庶務担当理事より会員数状況について報告された。

3.会計報告
木山博資会計担当理事より以下の通り報告された。
  • 2007年度決算より、会計事務所へ税務申告書類の作成及び年次決算業務を委託し、法人税等を納税した。(納税額:230,500円)
  • 2007年度大会での50周年記念事業の開催、納税、会計事務所への委託料等により、2007年度では支出の増加が見られたが、年会費の納入率増加や経費削減等を以って収支を黒字とすることができた。
  • 3年度分以上の年会費を滞納していた会員234名に対し、会則第13条の1に基づき2007年度末付けで除名手続を行った。本年度末も除名手続を予定している。
  • 年会費未納者が現時点で182名あり、そのうち39名が除名対象となっている。引き続き督促を行っていくが、年会費未納の際には、早々の入金をお願いしたい。
  • 海外留学中の会員を対象とした休会制度の導入を検討している。
  • 年会費納入方法のひとつとして、クレジットカード決済の採用を検討中だが、採用時・採用後に様々な経費が発生するため、理事会にて引き続き審議していく。
  • 若手研究者を育成するためにも財政に余裕がほしい。ついては賛助会員の獲得に協力願いたい。
4.出版・広報報告

「6.各種委員会報告」の「⑦出版・広報委員会」にて仲嶋一範出版・広報委員会委員長より報告された。

5.プログラム編成報告
武田雅俊大会長より第51回大会について報告された。
  • (1)日本生物学的精神医学会とどのように連合・連携するか ②将来計画委員会で議論された方向性(一般口演重視、若手研究者の育成)をどのように実現化するか を念頭に置きプログラムを編成した。
  • 日本生物学的精神医学会の配慮もあり会場に恵まれ、一般口演を充実させることができた。演題数は一般口演が200題、ポスターは50題となり、シンポジウム数は100題弱となった。また、事前参加登録数は500名、9月11日分参加登録数は約100件となっている。
  • 使用言語は基本的に英語とした。・若手育成セミナーを新たに企画した。講師が20名、受講者が100名となった。講師と膝を交えてディスカッションでき、若手研究者にとってはいい機会となったのではないか。
6.委員会報告
(1) 将来計画委員会
米田幸雄委員長より報告された。
・今大会について

委員会より提案していた「一般口演の重視」、「若手研究者の育成」が反映されている大会となっており、大会長には感謝したい。

・今後の日本神経化学会について

若手の育成:発表経験が少ない若手研究者では英語での発表に抵抗感を感じるケースもあるようだ。多くの若手研究者に門戸を開放するためにも、発表者のレベルに応じた言語を選択できるよう配慮するのが望ましいのではないか。
女性研究者の参加促進:家庭との両立等の観点から、女性研究者が学会に参加できる環境が完全には整っていない。その他さまざまな要因で研究活動に不安を感じている女性研究者に対し、どのようなことで悩み、どのような対策を求めているかを受け止める方策を打ち出したい。それにより女性研究者の学会参加を促進したい。

(2) 脳研究推進委員会

辻省次委員長より以下の通り報告された。

脳研究推進委員会のミッションとして、我が国の脳研究にまつわる科学政策に対し、積極的な提言を行うことを目指している。
それを具体化するための方策については、以下の通りと考える。

  • 日本の脳研究政策や研究費等に関する情報を会員に積極的に発信していきたい。
  • 新学術研究領域について、日本神経化学会でもグループ研究等を通してアプローチすることが有効ではないか。
  • プロジェクト指向型のような研究費の創設を働きかける。
  • chemical biology・neurobiologyといった創薬研究からtranslational researchへという物質を基盤とした動きに対しても積極的に取り組み、将来的に大きなプロジェクト研究に発展することが理想的である。
    例えば、次大会において脳研究の研究費に関するワークショップ、chemical biologyや分子イメージング等をテーマとしたセッション・シンポジウムを企画することにより、日本神経化学会としての政策提言へ発展するような勢いを生じさせたい。
(3) 国際対応委員会

和中明生委員長より以下の通り報告された。

・APSNについて
  1. APSN biennial meetingが偶数年に開催される。
    本年は6月末に第8回meetingが上海で開催され、理事会も併せて開かれた。理事会では理事改選が行われ、新たに米田幸雄氏が選出された。(任期:2012年まで)現在、日本から選出されている理事は、理事長の池中一裕氏、柳澤勝彦氏、和中明生氏、米田幸雄氏の計4名となっている。
  2. 第9回meetingは2010年にタイ・プーケット島で開催されることが決定された。また、第10回meetingは2012年開催予定であり、オーストラリアと日本が招致の意思を表明した。今後、日本神経化学会では日本神経化学会大会との共催の可能性を探っていく。
ISNについて
  1. 6月末、理事会が上海で開かれた。
    また、ISN biennial meetingが奇数年に開催されるが、2011年の第23回meetingはギリシャ・アテネで開催予定であり、プログラム委員長に白尾智明氏が選出された。
  2. ISN Special Neurochemistry Conferenceは偶数年に開催される。2010年は、イタリア・シシリー島にて「Membrane domains in CNS physiology and Pathology」とのトピックスで開催される。なお、同Conferenceの開催地は、欧州、アフリカ、北南米、アジアで持ち回りとなっており、次回のアジア開催は2014年となるため、日本からもトピックスを発信できるよう考えていきたい。
  3. ISNから下部組織(ASN,ESN,APSN)へ以下の補助が行われることとなった。
    • regular meetingに対し年間25,000 USドル
    • schoolに対し年間40,000 USドル
  4. 2009年初旬に理事改選が予定されており、白尾智明氏が立候補される。投票の際は、ISNに参加している当会会員に対し協力を仰ぎたい。
  5. 若手研究者が日本からISN meeting及びConference,School等へ参加される場合は、トラベルアワードを積極的に活用してほしい。
APSN・ISN共通事項について
  1. 若手研究者のAPSN・ISNへの入会を促進したい。入会手続きの手間を省くため、日本神経化学会大会時、専用ブースを設置し、推薦人の署名等を一括で行えるよう準備するよう検討する。
  2. ISN Special Neurochemistry Conferenceは偶数年に開催される。2010年は、イタリア・シシリー島にて「Membrane domains in CNS physiology and Pathology」とのトピックスで開催される。なお、同Conferenceの開催地は、欧州、アフリカ、北南米、アジアで持ち回りとなっており、次回のアジア開催は2014年となるため、日本からもトピックスを発信できるよう考えていきたい。
  3. これら国際学会の予定、動きに関しては、日本神経化学会のホームページ及びe-mail配信を通じて周知を行う。
(4) 研究助成金等候補者選考委員会

神庭重信委員長より報告された。
(財)井上科学振興財団、(財)ブレインサイエンス振興財団、(財)東レ科学振興会より学術賞・助成金等の公募がなされている。都度、学会推薦を募集しているが、応募が少ない。当会ホームページや機関誌にて賞の周知を行っているので、適任者の推薦等協力を仰ぎたいとのことであった。

(5) シンポジウム企画委員会

東田陽博委員長より報告された。

2009年度の理事会オープンシンポジウムのテーマについて、以下の通り複数の事項を検討している。今後、日本神経化学会との関係性を考慮しながら決定していきたい。

  1. iPS細胞
  2. copy number variation等の遺伝子変異と行動
  3. 神経免疫相関
  4. 神経経済学
(6) 連合大会委員会

池中一裕委員長より以下の通り報告された。

連合大会委員会は、脳科学関連学会と同時期・場所においてゆるやかな連合形態での大会開催を目指す委員会である。
現在は、日本生物学的精神医学会や日本神経精神薬理学会に対し、継続的な連合を打診しているが、諸事情により確約が得られていない。しかし、日本生物学的精神医学会とは合同シンポジウムを継続的に企画できる可能性がある。
日本神経化学会のスタイルとして、連合先とは無理なく同時開催できるよう調整を図り、実現が難しい年は単独開催とすることとしていきたい。

(7) 出版・広報委員会

仲嶋一範委員長より以下の通り報告された。

・機関誌について

47巻第4号から製作業務委託先を株式会社六甲出版販売から有限会社シーワークスへ変更予定であり、経緯が説明された。トラブル回避のため契約書・覚書を締結し、先1年間の経過を元に次年度の契約更新を再考するとのことであった。
また、第1号及び第4号については、企業広告を随時掲載募集しているとのことであった。

・学会ホームページについて
  1. ホームページ上にて「神経化学トピックス」と題し、一般向け広報活動の一環として会員の研究成果を紹介しており、現在3件の論文(要旨)が掲載中、10月に1件追加の予定である旨報告された。幅広く会員の成果を紹介したいと考えており、適任者の推薦をお願いしたいとのことであった。
  2. 英語版のホームページについては、海外在住の外国人会員をどの程度増やしていくか等、外国人会員に関する学会のスタンスが明確になってから、具体的に検討していく旨報告された。
    当面は、国内在住の外国人に対して入会を促すこととし、英語版の入会申込書作成等から対応していくとのことであった。
  3. 会員情報検索システムについて、海外からを含めて自由にアクセスできる形に変更するよう作業中である旨報告された。専門分野や英語での入力欄等を含む新しい会員情報記入シートの作成・配布により、全会員から開示可能な項目についての情報収集を行っている。会員情報記入シートは学会ホームページからダウンロード可能であるので、未提出の会員は提出をお願いしたいとのことであった。また、現システムでは更新作業が煩雑であるため、頻回の更新が困難であることが懸案となっており、解決策を検討中である旨報告された。
7.2008年度奨励賞選考結果報告

米田幸雄委員長より、本年度の選考経緯と奨励賞受賞者及び最優秀奨励賞受賞者が報告された。また、近年応募者が少ないため、賞の周知や適任者の推薦等協力を仰ぎたいとのことであった。


-2008年度奨励賞受賞者-
  1. 味岡 逸樹 (セントジュード小児研究病院)
    「マウス網膜発生における個々のRbファミリーの役割解明」
    The role of the individual Rb family member during mouse retinal development
  2. 橋本 亮太 ※最優秀奨励賞受賞
    (大阪大学大学院医学系研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター)
    「精神疾患のトランスレーショナルリサーチ」
    Translational research in mental disorder

(50音順/敬称略)

8.2007年度決算の件

木山博資会計担当理事より、2007年度決算について報告された。

9.2007年度監査報告

三木直正監事より監査報告され、承認された。

10.2009年度予算案の件

木山博資会計担当理事より2009年度予算案が提案され、承認された。

11.評議員選任の件

新評議員として、以下の4名について審議され、承認された。(50音順/敬称略)

近藤 慎一(Department of Physiology, Anatomy and Genetics University of Oxford)
斎藤 祐美子(広島大学総合科学研究科行動科学講座)
定方 哲史(理化学研究所脳科学総合研究センター分子神経形成研究チーム)
津田 誠(九州大学大学院薬学研究院薬理学分野)

※任期:2009年総会終了まで

12.名誉会員推薦の件

理事会より推薦された以下の1名について、名誉会員への就任が承認された。(敬称略)

宮武 正(理化学研究所脳科学総合研究センター神経蛋白制御研究チーム)
13.次期大会の件

田代朋子第52回大会長より以下の通り報告された。

会 長:田代 朋子 (青山学院大学理工学部化学・生命科学科)
期 日:2009年6月22日(月)~6月24日(水)
会 場:ホテル天坊(群馬県渋川市伊香保町)

  • 神経組織の成長・再生・移植研究会(GRT研究会)との連合大会とする。
  • 6月22日にISNシンポジウムを企画している。
    “Axon homeostasis and disease(仮題)”とのテーマで、ISNへの申請準備中である。
    (オーガナイザー:木山博資氏)
  • 理事会企画オープンシンポジウムは、6月24日午後、刀城会館(前橋市)にて開催予定である。
  • 参加者は日本神経化学会とGRT研究会を自由に出入りできるよう検討している。
また、高坂新一理事長より第53回大会について以下の通り報告された。
  • Neuro2010として、日本神経科学学会、日本神経回路学会との連合大会とする。
  • 大会長を井上和秀氏(九州大学)とし、会期は2010年9月2日(木)~9月4日(土)、会場は神戸国際会議場・神戸国際展示場となった。
  • 日本神経科学学会大会長は川人光男氏(ATR 脳情報研究所)、日本神経回路学会大会長は石井信氏(京都大学)である。
  • 日本神経化学会実行委員長は木山博資氏(大阪市立大学)、プログラム委員長は神庭重信氏(九州大学)である。
14.その他

米田幸雄庶務担当理事より功労会員について以下の通り報告され、承認された。

・会則・細則での規定について
(会則)

功労会員:本会に功労のあった正会員のうちから別に定める細則により総会が承認する者で、会費年額5,000円を納める者。

(細則)

功労会員は,次の1項に掲げるもののいずれかの資格を有する場合,2項の手続きを経て総会にて承認される。

  1. 資格
    • 評議員経験者でかつ定年により現職を退いた者。
    • 永年,正会員として本会に貢献をした者。
  2. 手続き
    • 理事会が候補者を決定し、総会へ推薦する。
・候補者について(順不同)
小幡 邦彦 評議員
杵鞭 宏育 評議員
佐野 護 評議員
永井 康雄 評議員

以上を以て予定した全ての議事を終了し、2008年度総会を閉じた。