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議事録

2009年度(平成21年度)第2回理事会議事録

日本神経化学会
2009年度第2回理事会議事録

日時:
2009年6月21日(日)12:50-16:50
会場:
伊香保温泉 ホテル天坊 1階「平安」
出席者:

髙坂新一(理事長)、井上和秀(副理事長・第53回大会長)、岡野栄之(庶務担当)、
島田昌一(会計担当)、今泉和則(出版・広報担当)、熊倉鴻之助、塩坂貞夫、遠山正彌、
御子柴克彦、柳澤勝彦、和中明生、白尾智明、田代朋子(第52回大会長)、西川徹(以上 理事)、
三木直正、宮本英七(以上 監事)、池中一裕(将来計画委員会委員長・第55回大会長)

委任状:

神庭重信(理事)、米田幸雄(奨励賞選考委員会委員長・第54回大会長)

議 題

【報告事項】

1. 2009年度第1回理事会議事録承認の件

髙坂新一理事長より、先般持回り審査を行い、承認が得られている旨報告された。

2. 理事長報告

第52回大会開催にあたり、田代朋子大会長に対し謝辞がなされた。また、以下の通り報告された

  • 今大会は「神経組織の成長・再生・移植研究会(GRT研究会)」とゆるやかな連携形式で開催される。
  • 前大会にて好評であった「若手育成セミナー」を今回も開催する。
3. 庶務報告

岡野栄之庶務担当理事より、会員数動向について報告された。また、物故会員2名に対し黙祷が捧げられた。

4. 会計報告

島田昌一会計担当理事より、以下の通り報告された。

・会計監査報告書について
2008年度決算について宮本英七、三木直正両監事によって会計監査が行われた。その結果、収支内容及び財産状況について正しく示されている旨認められたとのことであった。
・年会費未納者数について
年会費未納者数について現状報告がなされた。引き続き未納者へ督促を行うとともに、該当者に連絡可能な理事は、本人へ納入喚起を行うこととなった。
また、長期未納者については未納が解消されない場合、本年12月末付けで除名処理を行う旨確認された。
5. 出版・広報報告

今泉和則出版・広報担当理事より、以下の通り報告された。

・今年度の活動目標について
  1. 今大会は「神経組織の成長・再生・移植研究会(GRT研究会)」とゆるやかな連携形式で開催される。
  2. 前大会にて好評であった「若手育成セミナー」を今回も開催する。
・機関誌の発行状況について
本年3月に48巻1号の発行を終えた。引き続き4号(12月発行予定)の発行準備を進める。また、4号では「学会参加レポート」コーナーを新設し、国際学会(特にISNやAPSN)に参加した若手研究者の報告レポートを掲載する予定である。
・大会情報・論文掲載に関する情報提供について
NHK科学文化部より、大会情報や重要論文の掲載情報を提供してほしい旨依頼があった。
当会活動のアピールになるため、積極的に提供する予定である。なお、重要論文の掲載情報については、当会の活動内容に相応しいものに限り、情報提供することとする。
6. 委員会報告
(1) 将来計画委員会

池中一裕委員長より、今期の活動方針について以下の通り報告された。

  • これまでに委員会でなされた議論や提案がどれだけ実現しているかを詳細に見直す。実現していない案件は、取り扱いについて検討を重ねる。
  • 上記を踏まえ、新しい提案を検討することとする。

また、髙坂新一理事長より以下の通り要望された。

  • 「若手の育成」と「若手が自分の手で学会を作り上げていく姿勢」を大切にしたいと考えており、若手が積極的に学会の運営に携われる仕組みを検討してほしい。

髙坂理事長の要望についても、委員会で今後検討していくこととなった。

(2) 出版・広報委員会

今泉和則委員長より、以下の通り報告された。

・e-mail配信について
e-mail配信及び会員検索システムにかかる情報開示について、同意状況が報告された。
また、e-mail配信について一部の会員より「事務局からのe-mailが届かない」との苦情が寄せられたため調査を行った。その結果、事務局でのエラーは考えにくく、受信側の受信設定が要因である可能性が高いとのことであった。今後、特別な案件をe-mailで配信する際は、受信確認を設定することとなった。
・第105回日本精神神経学会学術総会のセッション企画参加について
5月に予定されていた第105回日本精神神経学会学術総会において、当会の活動をアピールする企画を計画していたが、新型インフルエンザ感染拡大のため8月に延期となった。
・新会員情報検索システムについて
新たな会員情報検索システムの運用に向け、利便性を考慮して現行システムで利用中のUMIN・PLAZAサーバーからUMIN・OASISサーバーへの移行を検討している。しかし、UMIN・OASISサーバーは開発途上であり、当方のニーズに対応しきれない可能性があるため、Xoops(Xoonips)等他サーバーの調査も進めている。


なお、上記報告を踏まえ、髙坂理事長より会員情報が二重管理(当会事務局・情報管理者)となる可能性が指摘され、その点も留意して検討を進めるよう意見された。

・その他
英語版ホームページに、以下項目の追加掲載を検討している。
  1. 大会案内
  2. 学会活動について(理事長挨拶:髙坂理事長執筆)
  3. 外国人の入会規定(岡野庶務担当理事が内容を検討、次回理事会にて審議予定)
  4. 過去のミーティングについて
(3) シンポジウム企画委員会

柳澤勝彦委員長より、第41回大会(1998年)からの公開シンポジウム開催状況について報告され、今後の公開シンポジウムの趣旨・方向性に関し確認したいとのことであった。
活発な議論の結果、以下の通り確認された。

  1. 大会長の意向を尊重しつつ、当会の趣旨・あり方・方向性を最大限重んじた内容とする。
  2. 会員でない研究者・臨床従事者に対して学会活動をアピールする場とし、一般市民を対象とするものではない。
  3. パネルディスカッションの導入等、そのテーマの問題点・方向性を明らかにできる内容となるよう検討する。
  4. 名称は「日本神経化学会公開(またはオープン)シンポジウム」とする。
(4) 国際対応委員会

和中明生委員長より以下の通り報告された。

・ISNについて
  1. 理事選挙が行われた。ISNに参加している当会会員へメール配信を行い、選挙告知及び白尾智明候補者への投票協力を呼びかけた。6月初旬、白尾智明氏の当選が確定した。
  2. 8月23日から28日まで韓国・釜山にて第22回ISN biennial Meeting(APSN共催)が開催され、ポスターアワードやトラベルアワードの参加呼びかけを行った。
・APSNについて
  1. 2010年10月18日から21日までタイ・プーケット島にて第9回biennial meetingが開催される。シンポジウムやYoung Investigator Colloquiumを募集中である(6月30日締切)。
・その他
  1. 6月22日に委員会が開催される。国際化や国際対応についての議論に加え、APSN・ISNへの参加を若手研究者に促す方法について議論する予定である。

髙坂理事長より、海外からの参加を募るよりも、当会の若手研究者を国際学会へ参加させるよう注力したいと考えており、そのための予算立ても理事会にて検討したい旨意見された。

(5) 研究助成金等候補者選考委員会

神庭重信委員長欠席のため、2009年3月から5月の公募数及び応募数について資料で報告された。
髙坂理事長より、応募が少ないため総会等で積極的に周知を行いたいとのことであった。

(6) 脳研究推進委員会

遠山正彌委員長より、さきがけ事業・CREST事業や脳科学関連の補正予算等に関して報告された。
また、文部科学省等への要望について各理事から意見を募った旨報告され、その意見が紹介された。
委員会では今後、文部科学省等省庁に対し、学会としての要望(特に予算面)をまとめて提示したいと考えており、意見があれば積極的に挙げてほしいとのことであった。

(7) 奨励賞選考委員会

米田幸雄委員長欠席のため、2009年度奨励賞選考経過について資料で報告された。

本年度の奨励賞受賞者は1名となり、6月22日開催の奨励賞シンポジウムにて最優秀奨励賞の授与について審査を行うとのことであった。
また、複数の理事より応募者が少ない点に懸念が示されたため、委員会にて応募者を発掘すると同時に、各理事が積極的な賞の周知や応募者の推薦を行うこととなった。

(8) 連合大会委員会

井上和秀委員長より、今後は臨床系の学会とも交流を深めたいと考えており、詳細を委員会にて検討していくとのことであった。また、6月22日開催の評議員会でもその旨議論したいとのことであった。また、日本生物学的精神医学会とは、引き続きゆるやかな連携を継続することが確認された。

7. 第52回(2009年度)大会について

田代朋子大会長より、プログラムについて以下の通り報告された。

●シンポジウム開催状況 ※敬称略
1)日本神経化学会-GRT研究会連携オープンシンポジウム
6月21日(日)17:00~19:00 ホテル天坊A会場(1F・キング)
「成体脳における神経新生と中枢神経系の再生戦略」
【座長】岡野栄之(慶應義塾大学医学部生理学教室)
板倉 徹(和歌山県立医科大学脳神経外科)
2)ISNシンポジウム
6月22日(月)9:00~11:40 ホテル天坊A会場(1F・キング)
「Axon Homeostasis and Diseases」
【座長】木山博資(大阪市立大学大学院医学研究科機能細胞形態学)
御子柴克彦(理化学研究所脳科学総合研究センター)
3)日本神経化学会-日本生物学的精神医学会合同シンポジウム
6月23日(火)9:00~11:40 ホテル天坊A会場(1F・キング)
「神経化学と精神医学の融合による精神疾患病態解明・治療法開発」
【座長】池中一裕(生理学研究所分子神経生理研究部門)
齋藤利和(札幌医科大学医学部・神経精神医学講座)
三國雅彦(群馬大学大学院脳神経発達統御学講座神経精神医学分野)
●シンポジウム・一般演題について
  • シンポジウムテーマの提案を公募したところ多数の応募があり、調整の結果、一般シンポジウムとして11件採用となった。
  • 一般演題数は172題であった。
  • 一般演題の中で相応しいものがあれば、シンポジウムとして企画してほしい旨各座長に依頼し、10題程度企画された。
  • プログラム委員会より、一般演題の中から「軸索ガイダンス」に関するシンポジウムを提案され、採用された。
  • これまで一般口演は英語の使用を推奨していたが、議論が英語スキルに左右されるため、今回の使用言語は、各座長の判断に任せたい旨髙坂理事長へ提案し、了承を得た。
●育成セミナーについて
  • 参加申込84名、講師16名、8つのテーマが企画された。また、歴代の奨励賞受賞者に打診したところ、積極的な協力を得ることができた。
  • 前回同様、大変好評であった。今後は参加資格の定義が課題であろう。
●参加申込について
  • 事前参加登録者数約360名、そのうち会場(ホテル天坊)宿泊者が約半数であった。
8. 大学評価・学位授与機構における機関別認証評価委員会専門委員候補者の推薦について

髙坂理事長より報告された。
(独)大学評価・学位授与機構より機関別認証評価委員会専門委員候補者の推薦依頼があり、2名を推薦したが、選考を見送られたとのことであった。

9. その他

特になし。


【審議事項】

1.新評議員の推薦について

岡野栄之庶務担当理事より候補者2名について報告され、審議の結果、全候補者に対し総会への推薦が承認された。

2.評議員の退会希望について

岡野栄之庶務担当理事より、評議員の退会希望について以下の通り報告され、承認された。

  • 評議員3名より退会希望の申し出があった。慰留を行ったところ、うち1名が功労会員として継続参加了承するも、他2名は固辞された。よって、当該2名について退会処理を予定している。
3.次期評議員の継続について

岡野栄之庶務担当理事より、次期評議員の継続就任について以下の通り報告され、承認された。

  • 現評議員の任期満了(2009年総会終了まで)に伴い、次期評議員の継続就任について全評議員へ意向確認を行った。その結果、226名より継続就任の了承を得た。
4.功労会員の推薦について

岡野栄之庶務担当理事より候補者9名について報告され、審議の結果、全候補者に対し総会への推薦が承認された。

5.年会費の値上げについて

島田昌一会計担当理事より、年会費の値上げについて以下の通り報告された。
・第1回理事会にて提案された通り、年会費の値上げを検討したい。値上げの理由は以下の通り。

  1. トラベルアワードの創設等、若手育成のための新規事業を検討しており、財政基盤の強化を図りたい。
  2. 年会費納入率の向上を目指し、クレジットカード決済等納入方法の追加または変更を検討しており、その運営資金を確保する必要がある
議論の結果、以下の年会費案を2010年度から導入する旨総会へ諮ることと決した。

評 議 員:12,000円
正 会 員:10,000円
学生会員: 3,000円(据え置き)
功労会員: 5,000円(据え置き)
※金額は1年度分
6.年会費の値上げについて
島田昌一会計担当理事より、年会費の納入方法について次の通り報告された。
  • 第1回理事会にて提案された通り、年会費の納入方法としてクレジットカード決済の導入を検討している。代行業者3社に見積を依頼、2社より見積書が提出された。うち1社より決済金額の都合上、代替案(コンビニ決済)が提案された。

見積書及び代替案を基に活発な議論がなされた結果、クレジットカード決済は費用対効果に疑問が残るが、代替案(コンビニ決済)は現実的であるとされた。ついては、以下の通り総会へ諮ることとなった。

  • 2010年度から2年間程度試験的にコンビニ決済を導入・経過観察を行う。
  • コンビニ決済導入の間、現行の郵便振替は取り扱いを停止する。
7.休会制度の新設について

島田昌一会計担当理事より、休会制度の新設について説明された。

2008年第2回理事会より引き続き条件等について議論がなされた結果、以下の通り新設の可否について総会へ諮ることとなった。なお、会則等の改正は2010年度総会へ諮ることが確認された。


●休会制度導入案

長期の海外留学等、海外居住により一時的に学会活動が困難となる場合、休会届を提出した上で休会できることとする。海外留学等終了後には、ただちに本会活動に復帰する旨申し出なければならない。
なお、休会中は次の通り取り扱うこととする。

  1. 年会費は免除する
  2. 機関誌「神経化学」は配布しない
  3. 大会等当会主催の集会等の参加費は非会員扱いとする
  4. 総会議決権は有しない
  5. 役員等の選挙権及び被選挙権は有しない
  6. 当会奨励賞の応募資格は有しない
  7. 休会期間は会員歴に含めない

ただし、次の場合は休会を認めない。

  1. 年会費を滞納しているとき
  2. 休会中常時連絡可能な連絡先(日本国内住所・電子メールアドレス等)を申し出ないとき
  3. その他当会理事会にて不適当と判断されたとき

8.2009年度中間決算について

島田昌一会計担当理事より2008年度中間決算について報告され、承認された。

9.第53回(2010年度)大会について

井上和秀大会長より、以下の通り報告され、承認された。

  • 日本神経科学学会、日本神経回路学会との連合大会(Neuro2010)となり、2010年9月2日(木)から9月4日(土)に神戸国際会議場・神戸国際展示場で開催される。当会実行委員長は木山博資氏(大阪市立大学)、プログラム委員長は神庭重信氏(九州大学)。
  • 5月の事務方ミーティングにて学会間の摺り合わせが行われ、工程表が作成された。
  • 若手シンポジウムの企画や公開シンポジウムの独自性に配慮し、当会の特色を打ち出せるプログラムを検討している。
  • 経済状況の悪化により、寄付や広告収入の獲得が懸念される。
  • 収支配分は、日本神経科学学会:日本神経化学会:日本神経回路学会=4:2:1 。
  • トラベルアワードをバランス良く運営するため、和中明生氏(奈良県立医科大学)が担当委員となっている。
  • シンポジウムについては、当会シンポジウム企画委員会と連携して企画する。同委員会が企画案を数件提案し、理事会の意向を確認しながら確定していく。
10.第55回(2012年度)大会におけるAPSNへのプロポーザルについて

池中一裕大会長より、以下の通り報告された。

  • APSNの誘致を予定している。インドも誘致に前向きであるため、より魅力的な提案が必要となる。開催地は本年8月23日のAPSN理事会にて審議・決定される。
  • 準備委員会を設置し、プロポーザル案を検討している。委員は池中一裕氏(自然科学研究機構 生理学研究所)、島田昌一氏(大阪大学)、米田幸雄氏(金沢大学)、和中明生氏(奈良県立医科大学)

●APSN誘致が決定した場合

  • 「ゆるやかな連合」での開催ではなく、1つの大会として完全一体化されることとなるが、適否について理事会の判断を仰ぎたい。
  • APSNプログラム委員長は、local organizerの出身国以外から選出されることが一般的であり、今回も日本人以外が就任する可能性が高いことを了承願いたい。委員長の国籍に関わらず、当会の特色を打ち出せるプログラムになるよう働きかけていくつもりである。
  • 使用言語については、現在検討中である。
  • 開催場所は、神戸で検討している。

APSN誘致により「完全一体化」の大会となることに関し、活発に議論された。結果、あくまでも例外的な措置として承認し、当会の特色が薄まることなくプログラムを編成するよう留意されたいとの要望が出された。また、APSNプログラム委員長についても了承された。

11.その他

髙坂新一理事長より次回理事会にて2011年大会、2012年大会の大会長について検討したい旨提案され、了承された。

・第54回大会について
米田幸雄大会長欠席のため、髙坂新一理事長より報告された。2011年9月に金沢大学角間キャンパスでの開催を検討されているとのことであった。
・第56回・第57回大会について
髙坂新一理事長より報告された。第56回大会はNeuro大会に該当するとのこと、日本神経科学学会に開催意向を確認したいとのことであった。また、第56回・第57回大会について次回理事会にて大会長を検討したいとのことであった。
・大阪大学・浜松医科大学・金沢大学連携融合事業「子どものこころの発達研究センター」について
遠山正彌理事より報告された。大阪大学・浜松医科大学・金沢大学の連携による小児発達学研究科が新設されたとのことであった。子どもの心の発達障害は重要な問題であり、当会の協力も仰ぎたいとのことであった。髙坂新一理事長より、非常に大事な領域であるため、積極的に当会への参加を募っていきたいと意見された。

以上を以て、予定した全ての議事を終了し、本年度第2回理事会を閉じた。