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議事録

2009年度(平成21年度)総会議事録

日本神経化学会
2009年度総会議事録

日時:
2009年6月22日(月)12:40~13:30
会場:
ホテル天坊 1階A会場「キング」
議長:
田代 朋子 大会長
出席:
出席78名、委任状93名(会員総数1445名・定足数145名)
議事:
1.理事長報告

髙坂新一理事長より大会長の田代朋子氏に対し、謝辞がなされた。

2.選挙結果報告

岡野栄之庶務担当理事より、理事選出選挙結果について報告された。また、2009年度役員及び委員会委員長について報告された。

3.庶務報告

岡野栄之庶務担当理事より会員数状況について報告された。また、物故会員2名に対し黙祷が捧げられた。

4.会計報告
島田昌一会計担当理事より、本年度総会では以下の通り報告及び提案したいとのことであり、詳細は審議事項10~12にて審議願いたいとのことであった。
  • 2008年度決算報告及び監事による会計監査について
  • 2009年度の予算執行について
  • 2010年度の予算作成について
  • 年会費の値上げについて
5.出版・広報報告

今泉和則出版・広報担当理事より委員会活動の概要について説明され、詳細は「7.各種委員会報告」の「④出版・広報委員会」にて報告するとのことであった。

6.プログラム編成報告
田代朋子大会長より第52回大会について報告された。
・シンポジウムについて

今回は、特別シンポジウム4題、一般公募シンポジウム12題、2008年度最優秀奨励賞受賞者によるシンポジウム1題となった。さらに、一般演題の中から、多数集まったテーマで内容が充実したものを選定し、新たにシンポジウム1題を企画した。また、一般演題は170題程度となったが、プログラム委員会が一般演題の中からピックアップしたテーマをシンポジウムで取り上げていただけるよう、一般公募シンポジウムの各座長に依頼した。

・育成セミナーについて

若手育成は本会の重要な柱として位置付けられており、昨年に引き続き今回も開催することとなった。参加者を公募し、84名の学生が集まった。また、講師は歴代奨励賞受賞者を中心として、16名の協力を得ることができた。大変好評な企画であり、キャリアを問わず参加希望者が多いため、今後は参加資格について検討の余地があるように感じた。

・参加者数について

事前参加登録者数は360名。その約半数が会場である「ホテル天坊」に宿泊している。
当日参加登録者数は現時点で60名程度であるが、これから懇親会等の様々な企画が予定されており、さらなる参加者の増加が見込まれる。

7.各種委員会報告
(1) 将来計画委員会
池中一裕委員長より以下の通り報告された。

将来計画委員会は発足して20年弱経過しており、これまでの提案がどれほど実現しているか検証した。

・討論の活性化について

以前より、討論の活性化について指摘されている。最近の大会を見直したところ、口演発表が増加傾向にあり、発表・討論の時間配分は15分・5分とされることが多いようである。そこで「この時間配分を10分・10分とできないのか。10分では討論が難しいのか」という課題が浮かび上がった。今後はどのようにして討論を活性化させるかという点を議論していきたい。

・国際化について

国際化についてさまざまな議論を続けてきたが、最近の理事会の見解は、海外から外国人を呼び込むよりも、ISN・APSNとのつながりを活かして、海外へ向かうベクトルを強化してはどうかということになった。これまでは学会の国際化を目指し英語化を推し進めてきたが、討論の活性化を優先させるため、英語化のあり方について再検討したいと考えている。

・連合大会について

以前、日本神経科学学会との連携について全会員へアンケートを行ったところ、大多数が現在の形式(3年に1回の連合大会)に賛同された。将来計画委員会としても引き続きこの形式を支持していく。また、他学会との連携については、近年、ゆるやかな連合が実現できており、議論の余地はないと考えている。今後の課題としては、若手会員をいかに活性化させて運営に参画させるかという点であり、議論を深めていきたい。

(2) 脳研究推進委員会

遠山正彌委員長より、脳研究推進委員会の活動方針として以下の通り報告された。

  • 脳研究に関する中期計画等に対し、今後は積極的に反応していく
  • 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課の脳科学に関する公募研究については、取り上げてほしいテーマを同省へ積極的に提案することで、意見が反映される可能性が高まるようである。よって、当会からも強くアピールしたいと考えており、以下の点について意見を頂戴したい。

    1. どのようなテーマにするか
    2. 若手研究者を多く取り込んだ研究体制を望むが、実現に向けての工夫とは
    3. 臨床と基礎の融合領域を模索したいが、どのようなアイディアがあるか

    意見はできるだけ早期にまとめ、同省との折衝を図りたいと考えている。我々が具体的に活動できるチャンスのひとつであるため、ぜひとも協力願いたい。
(3) 国際対応委員会

和中明生委員長より以下の通り報告された。

・ISNについて
  1. 本年4月から5月にかけて理事選が開催され、白尾智明氏(群馬大学)が当選された。継続して田代朋子氏(青山学院大学)も理事を務められており、当会から2名を輩出することができた。また、ISNは強大な財政基盤を持ち、学会援助等も行っている。その点を考慮しながら、当会の存在感が高まっていくことを期待する。
  2. 第22回ISN meeting(APSN共催)が本年8月23日から28日まで韓国・釜山にて開催される。また、第23回ISN meetingが2011年にギリシャ・アテネにて予定されており、白尾智明氏がプログラム委員に就任予定である。
APSNについて
  1. 第9回APSN meetingが2010年10月18日から20日までタイ・プーケット島にて開催予定である。シンポジウム・若手コロキウムは本年6月末まで募集しており、ぜひ応募願いたい。
(4) 出版・広報委員会

今泉和則委員長より以下の通り報告された。

・機関誌「神経化学」の発行について

48巻第1号を本年3月に発行した。次号第4号は12月頃発行となり、現在作成中である。また、第4号から新たに「学会参加レポート」コーナーを設け、国際学会に参加した若手研究者の報告レポートを掲載することで、国際学会の動向について情報提供したいと考えている。

・学会ホームページに関して

一般向け広報活動として「神経化学トピックス」コーナーを2007年からスタートさせた。現在までに7報掲載しており、今後も年間3~5報程度を継続的に掲載したいと考えている。掲載希望の場合は、当会事務局または出版・広報委員会まで連絡願いたい(自薦・他薦不問)。
また、今年度は英語版ホームページの充実に向け、積極的に取り組みたいと考えている。

・広報活動について

NHK科学文化部より、大会情報や重要論文の掲載情報を提供してほしい旨依頼を頂戴した。当会活動のアピールとなるため、積極的に情報提供する予定である。

・会員情報検索システムについて

現行の会員情報検索システムで利用しているUMIN・PLAZAサーバーは、英文対応できないシステムであるため、利便性を考慮し、新しいサーバーへの移行を検討している。今年度中の移行を目指して準備を進めたいと考えている。

(5) 研究助成金等候補者選考委員会

神庭重信委員長欠席のため、田代朋子大会長より報告された。

2008年9月から2009年5月までの学会公募案件及び推薦状況について報告された。また、度々学会推薦を募集しているものの、応募が少ない現状が報告され、貴重な機会であるため、積極的に応募願いたいとのことであった。

(6) シンポジウム企画委員会

柳澤勝彦委員長より報告された。

日本神経化学会公開(オープン)シンポジウムは、この10年あまり活発に開催されてきたが、開催趣旨について以下の通り再確認した。


●理事会の見解

  • 当会の方向性が明確に示されるものとすること。すなわち、精神・神経疾患の分子基盤に関する内容が望ましい。
  • 大会の特性を可能な限り尊重すべき。例えば、地方開催の場合、基礎研究者より臨床従事者の参加が多いため、臨床に近いテーマで企画することが適当である。また、大会のテーマについても充分留意すること。
  • 公開性を維持すること。非会員にも参加を促せるよう、開催時間等について考慮する必要がある。
  • 題名は「日本神経化学会公開シンポジウム」とすること。

上記理事会の見解を踏まえ、委員会で議論し、さまざまなアイディアが出された。引き続き議論を重ね、次回大会(第53回:神戸)のプログラム構成に反映させたいと考えている。

(7) 連合大会委員会

井上和秀委員長より以下の通り報告された。

「ゆるやかな連合」の継続に向け、様々な学会との可能性を模索している。

  • 日本神経科学学会との合同大会(Neuro大会)については、これまで通り3年に1回のペースで継続することとし、次回大会(第53回:2010年)は2007年大会同様、日本神経回路学会を加えた3学会合同で開催される。
  • その他、同規模の学会との連合も模索しているが、同日開催が実現しにくい状況である。これを踏まえ、大規模の臨床系学会との交流の可能性も視野に入れており、今後具体化に向けて検討を続ける予定である。
8.2009年度奨励賞選考結果報告

米田幸雄委員長より、本年度の選考経緯と奨励賞受賞者について報告された。6月22日14:20より奨励賞シンポジウムが開催され、続いて開催される奨励賞選考委員会で最優秀奨励賞審査を行うとのことであった。
また、近年応募者が少ないため、適任者の推薦等協力を仰ぎたいとのことであった。


-2009年度奨励賞受賞者-(敬称略)
  1. 沼川 忠広 (国立精神・神経センター疾病研究第三部)
    「グルココルチコイド受容体およびBDNF受容体の相互作用に制御されるグルタミン酸放出」
    Glucocorticoid receptor interaction with TrkB promotes BDNF-triggered glutamate release
9.奨励賞規定・内規改正の件

米田幸雄委員長より報告され、奨励賞規定・内規について実情にあわせた内容に変更したとのことであった。なお、同規定・内規は2010年度奨励賞募集時より適用され、募集告示時に機関誌・学会HPにて公表するとのことであった。

10.2008年度決算の件

島田昌一会計担当理事より、2007年度決算について報告された。

11.2008年度監査報告

島田昌一会計担当理事より報告され、宮本英七、三木直正両監事により会計監査が実施され、収支内容及び財産状況について正しく示されている旨認められたとのことであった。本件について議場に諮ったところ、異議なく承認された。

12.2010年度予算案の件

島田昌一会計担当理事より2010年度予算案が提案され、異議なく承認された。
また、以下の通り提案された。

・年会費の変更について

近年、財政状況が厳しくなっており、繰越金が減少しつつある。また、今後は積極的な若手育成を展開していくため、さらなる支出が予想される。よって、年会費の値上げを実施し、財政状況の建て直しを図りたい。年会費案は次の通り。

評 議 員:12,000円
正 会 員:10,000円
学生会員: 3,000円(据え置き)
功労会員: 5,000円(据え置き)
※金額は1年度分
・年会費納入にかかるコンビニ決済の導入について

現在、年会費の納入は郵便振替を利用しているが、利便性と納入率の向上を期待し、理事会にて他の納入方法を検討してきた。クレジットカード決済や自動引落等多方面から検討したが、費用対効果を考慮し、コンビニ決済が適切であるという結論となった。よって、2010年度より郵便振替を停止し、コンビニ決済を試験的に導入したいと考えている。これにより、納入率向上が実現できればコンビニ決済を継続することとし、問題が発生した場合は代替案を検討したいと考えている。

年会費の変更及び参加費納入にかかるコンビニ決済の導入について議場に諮ったところ、異議なく承認された。

13.監事選任の件

岡野栄之庶務担当理事より報告された。現監事の任期満了に伴い、次期監事として次の2名が理事会より推薦された。(50音順/敬称略)
議場に諮ったところ、異議なく承認された。

鍋島 俊隆(名城大学)野村 靖幸(横浜薬科大学)

※任期:2013年総会終了まで

14.評議員選任の件

岡野栄之庶務担当理事より報告された。新評議員として以下の7名が理事会より推薦された。(50音順/敬称略)
議場に諮ったところ、異議なく承認された。

味岡 逸樹(慶應義塾大学)
稲垣 忍(大阪大学)
関野 祐子(東京大学)
永田 浩一(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所)
中西 博(九州大学)
橋本 亮太(大阪大学)
星野 幹雄(国立精神・神経センター神経研究所)

※任期:2013年総会終了まで

また、現評議員の任期満了に伴い、次期評議員への就任について全評議員へ意向確認を行ったところ、226名より継続就任の了承を得た。
現評議員の継続就任について議場に諮ったところ、異議なく承認された。

15.評議員選任の件

岡野栄之庶務担当理事より報告された。名誉会員として以下の1名が理事会より推薦された。(敬称略)
議場に諮ったところ、異議なく承認された。

宮本 英七(熊本大学)
16.功労会員推薦の件

岡野栄之庶務担当理事より報告された。功労会員として以下の9名が理事会より推薦された。(50音順/敬称略)
議場に諮ったところ、異議なく承認された。

安藤 進(財団法人 東京都老人総合研究所)
栗原 正(創価大学)
小嶋 久子(北里大学)
庄盛 敏廉(吉備国際大学)
田中 千賀子 
谷山 紘太郎(長崎総合科学大学)
土肥 敏博(日本薬科大学)
中村 重信(洛和会京都治験・臨床研究支援センター)
山口 知子(南八街病院)

※任期:2013年総会終了まで

また、現評議員の任期満了に伴い、次期評議員への就任について全評議員へ意向確認を行ったところ、226名より継続就任の了承を得た。
現評議員の継続就任について議場に諮ったところ、異議なく承認された。

17.会則・細則変更の件

岡野栄之庶務担当理事より、以下の通り報告された。

・名誉会員規定の変更について

変更案(変更:下線箇所)が提示され、議場に諮ったところ、異議なく承認された。

会則第6条名誉会員:本会に特に功労のあった正会員 (外国人は正会員であることを要しない)のうちから別に定める細則により総会が承認する者。ただし名誉会員は会費を納めることを必要としない。
細則第8条名誉会員は,次の1項に掲げるもののいずれかの資格を有する場合,2項の手続きを経て総会の議決をもって承認される。
・休会制度の導入について

休会制度の導入について、以下の通り導入案が提示された。会則等変更については2010年度総会にて別途提案するが、取り急ぎ2010年度から運用を始めたいとのことであった。議場に諮ったところ、異議なく承認された。


●休会制度(案)
長期の海外留学等、海外居住により一時的に学会活動が困難となる場合、休会届を提出した上で休会できることとする。海外留学等終了後には、ただちに本会活動に復帰する旨申し出なければならない。
なお、休会中は次の通り取り扱うこととする。


  1. 年会費は免除する
  2. 機関誌「神経化学」は配布しない
  3. 大会等当会主催の集会等の参加費は非会員扱いとする
  4. 総会議決権は有しない
  5. 役員等の選挙権及び被選挙権は有しない
  6. 当会奨励賞の応募資格は有しない
  7. 休会期間は会員歴に含めない

ただし、次の場合は休会を認めない。

  1. 年会費を滞納しているとき
  2. 休会中常時連絡可能な連絡先(日本国内住所・電子メールアドレス等)を申し出ないとき
  3. その他当会理事会にて不適当と判断されたとき

18.次期大会の件

井上和秀第53回大会長より以下の通り報告された。(敬称略)

会 長:井上 和秀(九州大学)
期 日:2010年9月2日(木)~9月4日(土)
会 場:神戸国際会議場・神戸国際展示場(兵庫県神戸市)
実行委員会委員長:木山 博資(大阪市立大学)
プログラム委員長:神庭 重信(九州大学)
19.その他

髙坂新一理事長より以下の通り説明された。

・年会費の値上げ及び休会制度について
先ほどのご承認に基づき、実質的な運用を2010年1月1日から開始する。事務処理の関係上、正式な規定案は2010年度総会にて提案する。

以上を以て、予定した全ての議事を終了し、2009年度総会を閉じた。