会則・役員・議事録・投稿
日本神経化学会
2010年度総会議事録
- 日時:
- 2010年9月3日(金)12:00~13:00
- 会場:
- 神戸国際会議場 4階第7会場
- 議長:
- 井上 和秀 大会長
- 出席:
- 出席51名,委任状144名(会員総数1400名・定足数140名)
- 1.理事長報告
髙坂新一理事長より井上和秀大会長に対し,謝辞がなされた。
- 2.庶務報告
岡野栄之庶務担当理事より会員状況について報告された。また,物故会員2名に対し黙祷が捧げられた。
- 3.会計報告
島田昌一会計担当理事より,以下の通り報告された。
当会財政は,かねてより慢性的な赤字である。
昨今,企業の協力が減少していることも要因であるが,赤字の解消に向け,年会費の値上げやコンビニ決済の導入に踏み切ったところである。
これらにより年会費の納入率は若干上昇した一方,若手育成事業がスタートし,トータルでは目立った赤字減少とはなっていない。
今後は,機関誌の電子化等より一層経費の削減に配慮し,会計の安定化を目指したい。なお,詳細は審議事項8~10にて審議願いたいとのことであった。
- 4.出版・広報報告
- 今泉和則出版・広報担当理事より,以下の通り報告された。
- Neuro2010広報活動の一環として,3学会合同で話題性ある演題をピックアップし,8月27日にプレスリリースを行った。
9月1日には記者会見を行い,大会長も参加した。ここでは,大会の概要を報道機関向けに発信した。
なお,今大会ではプレスルームを設置し,報道関係者の取材に対応できる体制を取っている。 - 理事会承認を得て,機関誌の製作を有限会社シー・ワークスから株式会社杏林舎へ委託変更し,48巻第1号が発行された。大きなトラブルなく発行でき,現在は第4号発行に向け,準備中である。
- Neuro2010広報活動の一環として,3学会合同で話題性ある演題をピックアップし,8月27日にプレスリリースを行った。
- 5.プログラム編成報告
井上和秀大会長より,木山博資第53回大会実行委員長,神庭重信同プログラム委員長,並びにプログラム委員各位に謝辞がなされ,以下の通り報告された。
今大会は3学会合同であるが,独創的なシンポジウムや若手育成セミナー,学生教育セッションを企画し,当会の独自性をアピールできたと思う。
参加者は4,000名弱,演題は約2,040題となり,国内のNeuro science系の学会では,最大級の規模となった。協力いただいた皆様に感謝申し上げる。
一方,規模が大きくなると多方面で困難な調整を伴うため,今回の反省点は今後も引き継いでいきたい。- 6.各種委員会報告
- (1) 将来計画委員会
- 池中一裕委員長より,以下の通り報告された。
将来計画委員会は発足して20年弱経過しており、これまでの提案がどれほど実現しているか検証した。
- 前回委員会での議論を踏まえ,学会の国際化の一環として,国際学会に若手会員をグループで派遣してはどうかと理事会に提案したところ,承認され,2011年度予算に「若手海外派遣補助費」が計上された。なお,今回の委員会は,総会終了後に開催予定である。
- 学会の活性化に向け検討を続けており,若手の理事会参画等アイデアが出ている。
- 大会運営面では,3年に1回,3学会による合同大会を開催しているが,これまで継続適否について検討を続けてきた。今回の合同大会は,井上和秀大会長の尽力により独自性ある企画が多く,3学会合同大会に対する会員の評価も今後変わっていくかもしれないので,引き続き検討を重ね,方向性を定めたい。
高坂新一理事長より,以下の通り意見された。
今回の委員会では,総会に先立ち行われた評議員会での議論について,集中的に審議し,次期執行部に申し送ってほしい。
- (2) 出版・広報委員会
今泉和則委員長より,以下の通り報告された。
当委員会では,一般向け広報活動,ホームページの充実,会員検索システムの改良を大きな柱として活動している。
ホームページに関しては,浅井清文委員,榎戸靖委員の尽力の下,英文ホームページの大幅改良を行った。
また,会員検索システムについて,現行システムは英語検索に対応していない等利便性に欠けているため,システムも再構築しており,作業は年内完了予定である。
新システムは,会員自身で登録データを確認できるプログラムとなっており,詳細は,運用開始時にアナウンスする。- (3) 脳研究推進委員会
遠山正彌委員長より,以下の通り報告された。
当委員会では,以下2点について議論している。
- 文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム(脳プロ)に対する学会の意見を,文部科学省研究振興局ライフサイエンス課より求められた。委員を中心にアンケートを行い,それを元に総会終了後の委員会にて原案をまとめる予定である。原案は理事長の承認を得た後,ライフサイエンス課長等関係各所に提出する。要望の骨子は,「多くの学会の意見を聞くこと」、「透明性・公平性を確保すること」としているが,その他意見があれば,委員会宛てに連絡願いたい。
- 日本学術振興会から,科研費の細目に関する調査が依頼された。委員会での検討を踏まえ理事長へ原案を報告した。原案に理事長が補足した最終案を,日本学術振興会へ提出した。本件については,機関誌に掲載する等会員向けにアナウンスしてもよいかもしれない。
- (4) 国際対応委員会
和中明生委員長より,以下の通り報告された。
- 当会に近しい国際学会の開催状況は,10th APSN Meetingが10月18日~20日にタイ・プーケットで,The 23th Biennial Meeting of the ISN Meetingが2011年8月月23日~26日にギリシャ・アテネで行われる。
- 昨年の委員会にて,国際学会への若手会員派遣を理事会へ提案した。理事会で承認され,経済的補助も得られることとなったため,当面のターゲットを10th APSN Meetingに定め,広報を行った。本プロジェクトは,当会若手会員に数名トラベルアワードに応募してもらい,選外となった者に相当の補助を行った上で,グループで国際学会に参加することを目的としているが,10th APSN Meetingについては,若手の応募が全体的に少なかったり,事前にトラベルアワードの公募が行われなかった等の事情により,理事会承認の下,今回は本プロジェクトの適用を見送った。
総会終了後の委員会では,The 23rd Biennial Meeting of the ISN Meetingへの対応策を検討したい。本総会に出席の会員においては,適任者に本プロジェクトをプロモートしてほしい。
なお,対象学会は,ISN,APSN以外でも当会に関連のある学会ならばよく,両学会と区別されるものではない。
- (5) 研究助成金等候補者選考委員会
神庭重信委員長より,2009年6月~2010年8月の公募数及び応募数について報告された。
応募が少ないため,適任者に積極的に周知願いたい。また,所属施設にて応募数の関係で推薦できなかった案件があれば,内容によっては当会へ紹介してほしいとのことであった。
- (6) シンポジウム企画委員会
柳澤勝彦委員長より,以下の通り報告された。
前回の委員会では,大会ごとに公開シンポジウムの性格にばらつきがあることを疑問視し,趣旨や名称を整備すると共に,主な精神疾患・神経疾患を隔年で取り上げることを確認した。
併せて,若手育成の観点から,一部のシンポジストを公募する旨決定した。
今大会は,その審議後初めての開催となるが,「うつ病の分子・細胞基盤」と題し西川徹氏,神庭重信氏にオーガナイザーをお務めいただく。
2011年の公開シンポジウムについては,委員会で議論が続いている。委員会案がまとまり次第,理事会に提案したい。なお,2011年大会では,会期初日の午前に,プレナリーとして開催予定である。- (7) 連合大会委員会
井上和秀委員長より以下の通り報告された。
3学会合同大会については,2013年も継続する方向で準備が進んでいる。
一方,それ以外の学会にも前向きにアプローチしており,「分子で病態を語る」という当会のスタンスを踏まえ,大きな臨床系の学会とのコラボレーションを検討した。
差し当たり日本神経学会に打診したところ快諾いただき,本年5月に岡野栄之氏,澤本和延氏の参加により,合同シンポジウムを行った。また,髙坂新一理事長より以下の通り報告された。
日本神経学会とは,来年も同様の企画を開催する方向で内諾を得ているが,最終確認を行う。さらに,神経内科専門医資格更新のためのポイント付与についても,当会を対象学会としていただくことで内諾を得ており,正式承認に向け準備中である。
- 7.2010年度奨励賞選考結果報告
和田圭司奨励賞選考委員長より,本年度の選考経緯と奨励賞受賞者について報告された。
今回から規約・内規が改定され,選考方法が変更となり,最優秀奨励賞と奨励賞を同時に選出した。
なお,これまで行われていた「奨励賞シンポジウム」は「最優秀奨励賞受賞者講演」となり,同賞受賞者の発表が行われるとのことであった。- ●受賞者
【最優秀奨励賞】
氏名:小西 慶幸
所属先:浜松医科大学分子イメージング先端研究センター
研究題目:神経細胞の形態制御に関わる細胞内在的分子機構【奨励賞】
氏名:小野 賢二郎
所属先:金沢大学大学院医学系研究科脳老化・神経病態学(神経内科学)
研究題目:アルツハイマー病βアミロイド蛋白凝集過程における分子間相互作用氏名:森口 茂樹
所属先:東北大学大学院薬学研究科薬理学分野
研究題目:認知機能調節におけるCaMキナーゼⅡの分子基盤
また,併せて若手育成セミナーについて,以下の通り報告された。
8月31日~9月1日に六甲山YMCAにて開催された。参加者は講師19名,受講者(大学院生等)56名であった。積極的で熱心な学生が多く,非常に盛況であった。
以上報告を受け,高坂新一理事長より,以下の通り意見された。
今回の若手育成セミナーを活気ある会にしていただき,和田圭司氏に感謝申し上げる。
同セミナーを学会の主要事業の1つに位置付け,財政基盤を確立させたい。今回は,理事中心に寄付や広告掲載を募り82万円獲得できたが,継続性が重要であるため,今後は会員各位にも協力願いたいと考えている。
- 8.2009年度決算の件
島田昌一会計担当理事より,2009年度決算について報告された。
- 9.2009年度監査報告
鍋島俊隆監事より報告され,2009年度収支内容及び財産状況について適性である旨確認したとのことであった。本件について議場に諮ったところ,異議なく承認された。
- 10.2008年度決算の件
島田昌一会計担当理事より2011年度予算案が提案され,以下の通り報告された。
2011年度から若手海外派遣補助費(50万円)と若手育成セミナー補助費(50万円)が支出増加となる。また,理事改選が予定されるため,会議費,通信連絡費,印刷費が増額見込みである。
本件について議場に諮ったところ,異議なく承認された。
また,高坂新一理事長より,以下の通り意見された。
今後,若手育成関連経費の増加が見込まれており,年々繰越金の減少が危惧されている。今後は会員や寄付・広告収入増加に向けた努力の他に,機関誌の電子化による経費削減の可能性を出版・広報委員会にて検討してほしい。
- 11.評議員選任の件
岡野栄之庶務担当理事より,新評議員として以下の5名が理事会より推薦された旨報告された。
5名の就任について議場に諮ったところ,異議なく承認された。(50音順/敬称略)有賀 寛芳 (北海道大学大学院薬学研究院分子生物学研究室) 金子 雅幸 (千葉科学大学薬学部薬理学教室) 竹林 浩秀 (熊本大学大学院医学薬学研究部脳回路構造学分野) 沼川 忠広 (国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第三部) 森口 茂樹 (東北大学大学院薬学研究科薬理学分野) ※任期:2013年総会終了まで
- 12.名誉会員推薦の件
岡野栄之庶務担当理事より,名誉会員として以下の1名が理事会より推薦された旨,報告された。
本件について議場に諮ったところ,異議なく承認された。(敬称略)佐藤 公道 (安田女子大学薬学部) - 13.功労会員推薦の件
岡野栄之庶務担当理事より,功労会員として以下の1名が理事会より推薦された旨,報告された。
本件について議場に諮ったところ,異議なく承認された。(50音順/敬称略)小濱 一弘 (群馬大学医学部薬理学教室) - 14.会則変更の件
岡野栄之庶務担当理事より,会則変更案について以下の通り報告された。
●会則変更案(年会費について:下線部修正)
第6条 本会の会員は次のとおりとする。
1. 正会員: 神経化学に関する学識または経験を有するもので本会の目的に賛同し,会費年額 10,000 円を納める者。但し,評議員の会費年額を12,000円とする。 ●会則変更案(休会制度について:条文新設)
第14条 長期の海外留学等、海外居住により一時的に学会活動が困難となる場合、休会届を提出した上で休会できることとする。海外留学等終了後には、ただちに本会活動に復帰する旨申し出なければならない。
なお、休会中は次の通り取り扱うこととする。1. 年会費は免除する 2. 機関誌「神経化学」は配布しない 3. 大会等当会主催の集会等の参加費は非会員扱いとする 4. 総会議決権は有しない 5. 役員等の選挙権及び被選挙権は有しない 6. 当会奨励賞の応募資格は有しない 7. 休会期間は会員歴に含めない ただし、次の場合は休会を認めない。 1. 年会費を滞納しているとき 2. 休会中常時連絡可能な連絡先(日本国内住所・電子メールアドレス等)を申し出ないとき 3. その他当会理事会にて不適当と判断されたとき ●本件について議場に諮ったところ,異議なく承認された。
- 15.次期大会の件
米田幸雄第54回大会長より,以下の通り報告された。(敬称略)
大会長:米田幸雄(金沢大学)
期 日:2011年9月26日(月)~9月28日(水)
会 場:ホテル瑠璃光(石川県加賀市)
テーマ:分子とこころ-a molecule for mind-なお,本大会では,同伴者(家族)の宿泊も受け入れる予定である。同伴者が一定数集まった場合は,観光プログラムを検討することもある。
- 19.その他
髙坂新一理事長より以下の通り説明された。
<2012年度大会案>
大会長:池中一裕(生理学研究所)
期 日:2012年9月
会 場:神戸国際会議場・神戸国際展示場(神戸市)
※APSN,日本生物学的精神医学会との連合大会。<2013度大会案>
大会長:木山博資(大阪市立大学)
期 日:2013年6月
会 場:京都国際会議場(京都市)
※日本神経科学学会,WFSBPとの連合大会。また,岡野栄之庶務担当理事より,理事改選スケジュールについて,以下の通り報告された。
(1) 選挙管理委員候補者の選出 10月初旬 (2) 選挙管理委員候補者へ諾否確認 10月中旬まで (3) 第1回選挙管理委員会開催(事務局)
・委員長の互選
・運営スケジュール決定
・被選挙人名簿の確認
・開票立会人(2名)の選出10月末 (4) 公示(通知・学会ホームページ) (5) 有権者名簿発送(全会員宛て) 11月中旬 (6) 有権者名簿にかかる疑義受付 12月初旬まで (7) 被選挙人名簿・投票用紙発送 12月下旬 (8) 投票締切 1月下旬 (9) 開票日 2月初旬 以上を以て,予定した全ての議事を終了し、2010年度総会を閉じた。