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議事録

2013年度(平成25年度)第2回 理事会議事録
日本神経化学会
2013年度第2回理事会議事録

日 時 :2013年6月19日(水)13:00-17:00
会 場 :国立京都国際会館 2階 Room J

出 席: 木山博資(理事長),白尾智明(副理事長・国際対応委員会委員長・第58回大会長),仲嶋一範(庶務担当),今泉和則(会計担当),佐藤真(出版・広報担当),石崎泰樹 (研究助成金等候補者選考委員会委員長),岡野栄之(脳研究推進委員会委員長),小泉修一(将来計画委員会委員長),塩坂貞夫(第57回大会長),橋本均,等誠司,道川誠,米田幸雄(以上 理事),鍋島俊隆,野村靖幸(以上 監事),和田圭司(連合大会委員会委員長・第59回大会長),馬場広子(奨励賞選考委員会委員長・ダイバーシティー推進委員会), 斎藤祐見子(シンポジウム企画委員会委員長)

委 任 状: 池中一裕,神庭重信(以上 理事)

議 題

【報告事項】

1. 2013 年度第 1 回理事会議事録承認について
  木山博資理事長より,先般持ち回り審査を行い,承認が得られている旨報告された。
2. 理事長報告  木山博資理事長より,新しい理事会・執行部が始動した旨の報告と挨拶がなされた。
3. 庶務報告  仲嶋一範庶務担当理事より,以下の通り報告された。◆会員状況について
会員数動向及び異動状況について報告された。

4. 会計報告  今泉和則会計担当理事より,以下の通り会計報告された。
◆年会費未納者数について
年会費未納者数について報告された。年会費未納者には引き続き連絡をお願いしたいとし、特に2010 年からの長期未納者については本年度末付で除名処分となる為,理事会メンバーの中で連絡可能な該当者がいる場合は,本人へ連絡し納入を喚起願いたい。

◆2012 年度監査について
2013 年度 4 月 12 日午後 1 時より事務局内にて,2012 年度決算について鍋島俊隆,野村靖幸両監事によって会計監査が行われた。その結果,収支内容及び財政状況について正しく示されている旨認められた。

なお,野村靖幸監事より,監査報告について以下の通り補足された。

監査当日は,本学会顧問四谷パートナーズ会計事務所より税理士 2 名が同席し,2012 年度の税務報告のうえ,2012 年度監査に臨んだ。

5. 出版・広報報告  佐藤真出版・広報担当理事より,以下の通り報告された。

本年度の機関誌『神経化学』は,昨年同様 1,2,3 号の発刊を予定しているため,今大会向け『神経化学』は「大会プログラム号」のみの単独 2 号となる。

6. 委員会報告
(1) 将来計画委員会
小泉修一委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。

◆若手育成セミナーの担当委員会設置について
現在当委員会内メール会議を行っている検討事項であるが,本理事会の審議事項第 11 項にて詳細を報告し,ご審議いただくこととしたい。

なお,当委員会内では,本学会の活性化,そして 10 年,20 年後の本学会の在り方等も議論してゆきたいとした。

(2) 出版・広報委員会
佐藤真委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。

◆電子書籍について
・機関誌「神経化学」第2号に同封した告知のとおり,本年度第1回理事会にて承認となった電子書籍が既に閲覧可能となっている。
・この電子書籍へアクセスするには,会員ID及びパスワードが必要となっているが,この会員ID及びパスワードについては現在のところ当委員会委員長が作成している。
・会員ID及びパスワードについては,その年の退会者が翌年からは閲覧ができなくなるよう,一年に一度,年度末に変更し,年初の請求書発送時に新しい会員ID及びパスワードを会員へ知らせることとする。

白尾智明副理事長より,以下の通り質問された。

今後、電子書籍閲覧の際には個人の会員ID・パスワードでの対応はできるのか。

佐藤真委員長より,以下の通り回答された。

本学会では個人の会員ID及びパスワードの発行をしていない現状を踏まえ,先の対応を申し上げたが,もし個人の会員ID及びパスワードが発行されるようになった場合にどうするかは,会期中開催予定の当委員会内にて議論したい。

なお,佐藤真委員長は,機関誌について以下の通り補足された。

現在,機関誌「神経化学」へ掲載している投稿規定の中では,原著論文掲載の取り扱いについてまだ不明瞭であると思われるため,機関誌印刷業者である株式会社杏林舎と打合せ重ね,この点を改訂すべく詰めてゆきたい。

(3) シンポジウム企画委員会
斎藤祐見子委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。
大会会期中開催予定の当委員会に向け,事前に新委員達へ過去のシンポジウムの記録や和田前委員長の覚書等に目を通すように伝えてあるため,その結果を持ち寄り,2014 年度第 57 回大会では塩坂貞夫大会長と,2015 年度第 58 回大会では白尾智明大会長と相談しながら,より魅力的かつ面白いシンポジウムを企画したい。

(4) 国際対応委員会
白尾智明委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。

ISN カンクン大会のトラベルアオードの支払が遅れているが,これは事務局(KENES)のコンピュータの不調とトレジャラーの交代時期が重なったためによるものと思われる。随時送金となるはずであるため,まだ送金を受けてない方はもうしばらくお持ちいただきたい。

(5) 研究助成金等候補者選考委員会
石崎泰樹委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。

・2013 年 4 月から 6 月における学会推薦公募案件は 3 件あった。そのうち独立行政法人学術振興会第 10 回日本学術振興会賞については 1 件の応募があり,当委員会にて審議の上,推薦することとなった。
・2013 年 7 月以降の学会推薦公募案件については 7 件ある。
・応募数が少ないため,是非学会推薦を活かすよう,理事会メンバーより周囲へお声掛けしていただきたい。

岡野栄之理事より,以下の通り提案された。

各所属で公募推薦を得ようとすると競争が激しいため,学会推薦はとても貴重な機会と捉える
が,応募が少ないということであれば,会員への周知をもっと徹底してはどうか。

上記提案に対し,石崎泰樹委員長より,以下の通り発言された。

現在は,事務局より学会推薦の締切り 2 週間前に,公募がある旨のリマインドメールを送って
いるが,会員への周知の仕方について,今後はもっと工夫を凝らせるよう検討してゆきたい。

野村靖幸監事より,以下の通り提案された。

毎年同じ公募が見受けられるため,過去約 10 年程度の各公募への応募・推薦・受賞履歴等を 
調査し,それを会員へ周知することにより,関心を高めてはどうか。

上記提案に対し,石崎泰樹委員長より,以下の通り発言された。

事務局にてそれらの履歴を調査し,会員へ周知するために本学会ホームページへ記載し,また,
一斉配信メールにて公募を周知する際にも,その公募の過去の履歴を掲載するよう対応したい。

(6) 脳研究推進委員会
岡野栄之委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。
・政府の成長戦略として,「日本版NIH」というトップダウン型科学技術推進戦略の科学研究費にも関わる大きな流れがある。これについて本学会も生物科学学会連合より緊急声明を発したが,独立行政法人の再編やそれに伴うボトムアップ型による科学研究費の扱い等重要な問題を含んでいるため,当委員会内にてもきちんと向き合い議論をし,本学会として示唆してゆけるようにしたい。

・文部科学省・脳科学研究戦略推進プログラムについても,まだ情報として不確定なところが
あるため,随時情報を共有してゆきたい。

(7) 奨励賞選考委員会
馬場広子委員長より,以下の通り報告された。
・2013 年度は,最優秀奨励賞受賞者 1 名,奨励賞受賞者 4 名が決定した。6 月 21 日(金)に表彰式と最優秀奨励賞受賞講演を開催する。
・最優秀奨励賞・奨励賞規定第 3 項「各受賞者は受賞した賞には再応募できない」に関し,来年度から優秀賞となった場合は,奨励賞を受賞した者が同じテーマで優秀賞へ応募する際には,奨励賞受賞時よりその内容を発展させていなければならない。当然,奨励賞受賞時と全く同じ内容では審査対象外となる。・今年度から新規にて加わる委員を紹介。・本年度総会にて,2013年度第1回理事会にて承認された,最優秀奨励賞に替わる優秀賞の新設と奨励賞の継続が承認されたのちは,当委員会は本年度総会後より優秀賞・奨励賞選考委員会となる。

本年度総会にて,新たな優秀賞と奨励賞設置が承認された場合,応募者の年齢制限が変わるため、移行期間を設
けるべきかどうかについて,議論がなされた。(2013 年度第 1回理事会(第 1 回議事録審議事項第 4 項)からの継続審議事項)

前回の理事会審議では,従来の最優秀奨励賞・奨励賞規定第 1 項「申請の暦年度の 4 月 1 日現
在で満 40 歳未満の者とする。」を,新たな優秀賞・奨励賞規定第 1 項「申請の暦年度の 4 月 1日現在で,優秀賞は満 45 歳未満の者とする。奨励賞は原則として満 35 歳未満の者とする。」としていた(第 1 回議事録審議事項第 4 項)。来年度からはそれまで奨励賞対象であった満 35歳以上満 40 歳未満の会員は,応募資格年齢を満 45 歳まで引き上げた優秀賞へ応募できるため,本総会で承認された場合は,移行期間を設けずに来年度(2014 年度)より優秀賞・奨励賞を施行することとした。

仲嶋一範庶務担当理事より,以下の通り発言された。

本来奨励賞は,論文賞ではなく,学会貢献度等も含めた一連の研究について評価する次第に
ついて2年毎に代わられる新規委員の先生方へきちんと引き継ぎ理解していただくべく,明文化しているか。

馬場広子委員長より,以下の通り回答された。

明文化されたものはないが,審査する際の審査票へ,学会の貢献度を評価する項目も設けて
いるため,慣例的に今まで通りそれを使用し,学会貢献度も含め審査を行っている。

木山博資理事長より,以下の通り提案された。

委員の交代にともない,委員会としての選考基準がぶれてしまう恐れもあるため,審査基準に
ついて明文化したものを,申し送ることとしたい。

馬場広子委員長が,上記提案を受け,審査基準についての申し送り書を作成することを承知された。

引き続き,木山博資理事長より,以下の通り指示された。

本年度総会にて新設賞が承認となった場合は,来年度からの応募条件について会員の間で混乱
が生じないよう,その旨ホームページやメール配信等で周知徹底する。

(8) 連合大会委員会
和田圭司委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。

・2014年は塩坂貞夫大会長が日本生物学的精神医学会との連合大会として進めている。
・2015年については,白尾智明大会長が検討中である。
・幅広い視点にて連合を考えたいので,臨床系である日本神経学会の動向を伝えたい。同学会では,「学会の国際化」を課題の一つとして挙げており,シンポジウムの一部を英語で開催したり,英文誌を発刊したりという対応が行われている。

木山博資理事長より,2016年度の大会に関し,3年毎に開催されているNeuro大会(3学会合同:日本神経科学学会,日本神経回路学会,本学会)について,以下の通り発言さ
れた。

2007,2010,2013年度と3年毎に3学会合同大会を実施してきたが,2016年は,日本神経科学学
会が国際心理学会との合同大会を予定しているため,Neuro大会を開催しない方向である。なお,2017年度Neuro大会開催の可能性について日本神経科学学会現理事長と連絡を取ったところ,2017年度の大会に関しては日本神経科学学会理事会ではまだ話し合っていないということであった。本学会としては,若手会員等からは3年毎の学会を期待している声もあるため,Neuro大会開催は前向きに考えている旨伝えた。

(9) ダイバーシティー推進委員会
馬場広子委員長より,新体制となった委員会紹介ののち,以下の通り報告された。

・2012 年度に実施された男女共同参画学協会大規模アンケートの自学協会回答データを学協会事務局より開示いただくことが可能であるため,委員会内にて本学会の回答状況を分析してゆきたい。
・ジェンダー問題だけでなく,留学生等マイノリティーについても,どうしたら学会活動が もっとし易くなるのか,今後,委員会にて話し合ってゆきたい。

(10)利益相反委員
神庭重信委員長欠席のため,仲嶋一範委員より,新体制となった委員会紹介及び,大会会期中委員会開催予定である旨報告された。

7. 脳科学関連学会連合について
木山博資理事長より,活動及び決算について,以下の通り報告された。

・年に一度評議員会が開催される。(今年度は 7 月 4 日)
・日本学術会議「大型施設・大規模研究に関するマスタープラン」の公募へ,同連合より提案を 
行った。
・年会費は一学会一律 3 万円である。

8. 生物科学学会連合について
仲嶋一範庶務担当理事より,活動について,以下の通り報告された。

2013 年 3 月 9 日に,日本学術会議「大型施設・大規模研究マスタープラン」についてのシンポジウ
ムが開かれ,全 10 計画がプレゼンテーションされた。

◆「新日本版 NIH」構想について(「新日本版 NIH」と文中の「日本版 NIH」は同じである)
6 月初旬に理事会メンバーへメールにて,「日本版 NIH」に対する生物科学学会連合の方針について当学会としての対応の賛否及び意見をお伺いしたところ,多数の先生方より執行部案「科研費に大ナタを振るって応用研究に持って行くという方針だとすれば反対とし,その方向での声明文を生科連として急いで出すのであれば歩調を合わせる」にご賛同を頂き,去る 6 月 8 日開催された連合第 7 回定例会議へ臨んだ。

「日本版 NIH」構想とは,それまで厚生労働省,経済産業省,文部科学省の 3 省それぞれの独立
行政法人が行ってきた研究開発を統合し,先端医療研究に関する戦略や予算配分の決定権を新組織「日本版 NIH」(独立行政法人)に一元させるというものである。

この構想自体は重要でありその内容は良いとして,問題はその予算面の計画にあり、文部科学省
の生命科学分野の科学研究費の相当な割合を「日本版 NIH」予算として割り振る可能性が検討されているとのことであった。

この構想に対し,生物科学学会連合より先行し,6 月 10 日に 7 学会(日本生化学会,日本分子生
物学会,日本免疫学会,日本癌学会,日本神経科学学会,日本細胞生物学会,日本ウィルス学会)が合同で声明文を発表し,記者会見を行った。しかし,同連合代表浅島誠氏より,この 7 学会合同声明文へ連なるより,もっとメッセージを明確化し,また同連合名で声明文を出すのではなく同連合へ加盟している学会の名を連ねて独自の声明を発表することが提案され,承認された。その後、具体的な文面が検討・審議され、加盟する多くの学会の賛同を得て、6 月 11 日に声明文を発表した。

なお,上記の通り,6 月 8 日の定例会議後すぐに声明文を発表しなければならなかった理由とし
ては,6 月 14 日に「日本版 NIH」を含む成長戦略について閣議決定される予定があり,また一度決定されてしまうとそれを覆すことは大変困難と考えられたため,それが決定される前に声明文を発表する必要があったためである。

実際に 6 月 14 日閣議決定された内容は,「政治の強力なリーダーシップにより,①医療分野の
研究開発に関する総合戦略を策定し,重点化すべき研究分野とその目標を決定する,②同戦略の実施のために必要な,各省に計上されている医療分野の研究開発関連予算を一元化する」としている。また,その決定された中の工程表によると,今頃から秋にかけて新組織体制・予算等を検討し年末には法案を準備,そして来年度には設立としており,それに先行して「創薬支援ネットワークの構築による創薬支援」や「健康・医療戦略クラスターの構築による医療機器開発支援」といった「日本版 NIH」に関連した構想も進められる予定となっている。

6 月 8 日開催同連合定例会議へ日本神経科学学会担当理事として出席されていた和田圭司連合大
会委員長より,以下の通り発言された。

生物科学学会連合の今回の緊急声明の賛同加盟団体に日本神経科学学会は入っていない。しかし,
それとは別に 7 学会声明については 7 学会のうちの一学会として緊急声明を発表している。両方の緊急声明もおおよその趣旨は「初めから目的志向で,基礎研究から出口まで定まった様な形で科学研究費を使われるだけでは困る」である。

引き続き,以下の通り質疑応答及び議論がなされた。

・医学分野と医療分野を峻別して表現されているのだろうか。
⇒出口に向かうための研究の一元管理(医学・医療と区別するのではなく,基礎研究から創薬・治験研究まで通貫)をする役割と捉えている。
・この声明文に続き,第 2,第 3 段,と何か予定をしているのか。
⇒現状では特に予定はない。
・ノーベル賞受賞者の働きかけは影響があると思われるが。
⇒既にどこかで対応されているのではないか。
⇒文部科学省筋でもそのように考えている可能性はある。
・各省でも,既得権を失いたくないので「日本版 NIH」についてはもめているのではないか。
・この構想で懸念されている点は,新聞リークであったり,噂であったりするため,正しい情報はどこかから入手できるのか。
⇒内閣府「健康・医療戦略室」のホームページにて確認できる。但し,具体的な数字には触れ
ていない。

鍋島俊隆監事より,以下の通り発言された。

以前から,日本で translational research が遅れているから,拠点を作りそこへ資金を集め創薬
に集中するという話があった。それが安部晋三首相になり,目玉になる政策が必要ということで,この話が浮上したのだと考える。薬のインターネット販売決定の時も,政府に押し切られ施行されてしまった経緯があり,このままではこの「日本版 NIH」の構想についても政府に押し切られてしまう危険性が高いと危惧せざるを得ない。従って,緊急の場合の決済は全て理事長に一任するとし,学会でできることがあったら速やかに進めていくべきである。

白尾智明副理事長より,以下の通り発言された。

「日本版 NIH」については,先が見えないために不安な要素も確かに多いが,臨床系学会からはお
およそ肯定的な意見をきく。絶対に覆せそうにないことばかりに声を上げるのではなく,本学会は本来基礎系と臨床系の融合を掲げているので,臨床系学会とスクラムを組み意見を唱えれば,もう少し現実的に影響力が発揮できるのではないか。

木山博資理事長より,以下の通りまとめられた。

「日本版 NIH」構想が表に出てから緊急声明を発表するまでにあまりに時間がなく,深い議論もさ
れないまま今日に至っている。この場にて「こうすべきである」という案はすぐには出てこないものと思われるため,情報をしっかり収集しながら,状況を的確に把握していかなければならないと考える。本学会は「日本版 NIH」に関し,すぐに行動を起こせるべくフットワークは常に軽くしておきたい。

米田理事より,この様な短期間で決済をしなければならない時に備え,理事長決済で良いとする
システムを考えてはどうか,と提案された。

仲嶋一範庶務担当理事からも,このように機敏な対応が必要なときに迅速に情報を共有し審議する
ことが可能になるように,理事会メンバーのメーリングリストを作ることが提案され,承認された。

9.
男女共同参画学協会連絡会について
馬場広子ダイバーシティー推進委員会委員長より,以下の通り報告された。男女共同参画学協会連絡会へは昨年度より加盟しており,本年度より分担金を納めることとなった。その金額は,同学協会連絡会規定により各学協会の会員数によるものとし,本学会の会員数は 1,000人以上であるため,10,000 円となった。

10. 第 56 回大会(2013 年度)について
木山博資大会長より,Neuro2013 大会及び第 56 回大会について挨拶と謝辞が述べられ,続いて以下の通り報告された。

・機関誌「神経化学」大会プログラム号として発刊した。
・例年と違い,今回はポスターが半日で入れ替えとなる。
・演題数は約 2,000 題,参加登録者数約 4,000 名近くで,前回の Neuro2010 大会とほぼ同じ規模に
なる見込みである。合同大会の経費については,赤字にならないと予想している。
・Plenary 3 題,大会企画シンポジウムは数多く企画している。本学会としても理事会企画シンポジウム,JSN/ISN ジョイントシンポジウム,評議員会,総会,本年度最優秀奨励賞受賞講演,2012年度最優秀奨励賞受賞者企画シンポジウム,神経化学教育口演セッション,そして若手研究者教育セミナーを設け,充実を心掛けた。
なお,ISN より JSN/ISN ジョイントシンポジウムに約 500,000 円のサポートがあり,海外から参加演者の旅費に充当している。
・最終日 6 月 23 日には,Neuro2013 大会終了と同時に始まる国際生物学的精神医学会と共同とし,教育コースを企画,また並行してジョイントシンポジウムの開催を予定している。

11.
ISN スペシャルカンファレンスについて
白尾智明委員長より,以下の通り報告された

ISN スペシャルカンファレンスは 2 年毎に開催されており,従来の神経化学の枠を飛び出す新しい
分野をターゲットにして行われるカンファレンスである。前回は,2012 年度第 5 回は南米で行われたが,次回 2014 年度第 6 回についてはアジア・太平洋地区にて開催するということで,その開催地の募集(2012 年度末締切)を行ったのだが相応しい応募がなく,ISN より内々に日本より応募してもらいたいとの打診を受けた。

上記次第を木山博資理事長の了承のもと,御子柴克彦氏にお願いすることとし,国際対応委員会に
て全面的にバックアップすることとした。現在タイトルは「(仮)Nano Structure of the Brain」とし,神経化学と生物物理をつなぐレベルの小さな構造まで考えるという点を念頭において進めたいとする。

時期としては,2014 年度秋頃を予定しているが,同時期に開催を予定しているアジア太平洋神経化
学会や日本神経化学会の大会と重ならないよう調整したい。会場については,御子柴克彦氏より東京大学弥生講堂利用の案が出ている。

なお, ISN スペシャルカンファレンス開催の際には,ISN より US$150,000.-のサポートが支出され
る予定である。

12.
その他
特になし。

【審議事項】


1.
名誉会員の推薦について
仲嶋一範庶務担当理事より報告され,審議の結果,候補者 2 名に対し総会への推薦が承認された。

2. 新評議員の推薦について
仲嶋一範庶務担当理事より候補者 1 名について報告され,審議の結果,同候補者に対し総会への 推薦が承認された。

3. 次期評議員の継続について
仲嶋一範庶務担当理事より,次期評議員の継続就任について以下の通り報告され,承認された。

・現評議員の任期満了(2013 年総会終了まで)に伴い,次期評議員の継続就任について全評議員へ意向確認を行った。その結果,256 名より継続就任(2017 年総会終了まで)の了承を得た。

4. 功労会員の推薦について
仲嶋一範庶務担当理事より候補者 4 名について報告され,審議の結果,全候補者に対し総会への推薦が承認された。

5. 評議員の退任希望について
仲嶋一範庶務担当理事より評議員の退任・退会希望について以下の通り報告され,承認された。 

・評議員 6 名より退任希望の,評議員 1 名より退会希望の申し出があった。慰留を行ったが,固辞
された。よって,6 名については評議員退任,1 名については退会処理を予定している。

6. 理事交代時期(任期)の表記について
仲嶋一範理事より以下の通り草案が示され,審議の結果,承認された。

・今後,理事長・副理事長および役員理事,そして補充理事の交代時,その旨を議事録や委嘱状等
へ記載する際の表記は,『任期は,新理事長が決定される西暦年の第 1 回理事会終了時まで』とする。
なお,委嘱状へは,『任期は,新理事長が決定される西暦年の第 1 回理事会終了時まで(2〜3 月頃に開催予定)』とする。

7. 2013 年度中間決算について
今泉和則会計担当理事より,以下の通り報告され,承認された。 

・2013 年度中間決算では第 2 回理事会開催が 6 月となったため,1 月~5 月分にて中間決算報告とした。
・収入の部における「一般会費」収入額が例年より低いが,これは通常は 6 月末に会費の再請求を
行っており,今年の再請求についてはこれから行うためである。
・支払の部において,今年度学会誌作成の支払は未済であるが,2012 年度第 55 回大会にて APSN 作成の抄録を購入した際の費用について今年になって支払ったため,それを「学会作成費」として計上した。
・支払の部において,「若手海外派遣補助費」を ISN2013 へ参加する 2 名に適応した。

8. 2014 年度予算案について
今泉和則会計担当理事より,以下の通り報告され,承認された。

・収入の部における「一般会費」の予算額は,会員数は微増にもかかわらず,昨年度予算額より減額
となっているが,2013 年度以前滞納金納入見込額が低いためによる。
・支出の部において「奨励賞関係費」の予算額が例年より高いが,これは,本総会で承認された場合来年度より施行される優秀賞受賞者授与メダル作成費及び賞状作成費等が計上されているためである。

9. 第 57 回(2014 年度)大会について
塩坂貞夫大会長より,第 57 回(2014 年)大会について,以下の通り報告され,承認された。

前回の理事会にて,2014 年度第 57 回大会を合同大会とするかどうかについては,大会長へ一任す
るという次第で承認されたため,塩坂貞夫大会長の意向により,第 57 回大会は日本生物学的精神医学会(大会長:西川徹氏)との合同大会とすることとした。
また,上記により,以下の内容が変更及び追加された。
・開催場所を,奈良県新公会堂及び東大寺総合文化センターの 2 箇所としていたが,メイン会場を奈良県文化会館及び奈良県新公会堂とし,そこへ東大寺総合文化センターも加えた 3 会場を利用する大会となる。
・奈良県文化会館と奈良県新公会堂の 2 箇所の間には少し距離があるため,会期中はシャトルバスを走らせることとする。
・日本生物学的精神医学会とは,学会規模が本学会と同規模であるため財務部分は同じとする。
・大会運営事務局として,株式会社日本旅行へ依頼することとした。

白尾智明国際対応委員会委員長より,報告事項第 11 項に関し,以下の提案をされた。

2014 年度 ISN スペシャルカンファレンスを,第 57 回大会と近い日程で開催してはどうか。

上記提案に対し,鍋島俊隆監事より,以下の通り意見がなされた。

ISN スペシャルカンファレンスと第 57 回大会を一緒にやれば,スペシャルカンファレンスへきた外
人らも大会へ足を運んでくれるのではないか。

上記提案及び意見に対し,塩坂貞夫大会長より,以下の通り発言された。

大会会期中は 3 会場を予約しているため,ISN スペシャルカンファレンスを同時に開催することは
可能かと思う。また,数日間の延べ人数にて奈良へ宿泊した人数が 1,000 名を越えると奈良県より補助が出るため,大会へ参加される会員の皆様には,是非奈良で宿泊していただきたい。

なお,米田幸雄理事より,以下の発言がなされた。

来年度合同大会を行う日本生物学的精神医学会は,規模も,会員動向も,本学会と似ているととこ
ろが多々あるかと思われるが,将来的にはこの 2 つの学会が融合,或いは統合するということは考えられるか。

上記発言に対し,木山博資理事長より,以下の通り意見された。

確かに日本生物学的精神医学会とは何度も合同大会を行っているものの,いざ学会が統合するとな
ると,大会運営時以外の顕在化していない諸問題が生じると懸念する。直ちに 2 つの学会が一緒になることはないと考えるが,問題点等を整理しておく必要がある。

10. 優秀賞メダル製作について
馬場広子奨励賞選考委員会委員長より,以下の通り報告され,承認された。

現行では,最優秀奨励賞受賞者へは年度と受賞者の名前を刻印したメダルとタイトルも記載した
賞状を,奨励賞受賞者へは同様の賞状のみを贈呈している。そこで,本総会にて優秀賞の新設が承認された場合は,最優秀奨励賞は廃止となるため,最優秀奨励賞で授与していたのと同様に,優秀賞受賞者へもメダルと賞状を授与することとした。

11. 若手育成セミナー委員会新設について
木山博資理事長より,審議に先立ち,以下の通り発言された。
若手育成セミナーは,本学会では大きな目玉になっており,かなり力を入れて運営している。同セミナーは,例年大会時に開催されており,その年の大会長がその任を負うところがあった。しかし,同セミナーも今年で第 6 回目を数え,いろいろなノウハウが蓄積しているため,同セミナーをよく理解しているメンバーで委員会を構成し、同セミナーを牽引,またそのノウハウを引き継いでいく仕組みを作ることが必要ではないかと思われる。そこで,この委員会の設置の是非を本理事会に諮りたい。

小泉修一将来計画委員長より,審議に先立ち,以下の通り報告された。

若手育成セミナーについては,基本的には今まで通りの対応で良いと思うが,その継続性や発展性
を考えた時に,学会としてのきちんとしたサポートシステムがあるべきではないかと考えた。また,その場合は新委員会を設置するか,もしくはいずれかの既存委員会へその任務を担うようした方が良いとした。なお,この件について先に将来計画委員会内にてメール会議を行ったところ,意見は拮抗していたものの,将来計画委員会がその任務を兼務することで良いのではないか,という意見になり,実は自分もその様に考えている。

上記報告により,木山博資理事長より,以下の通り議場へ諮られ承認された。

新たに委員会を設置するのではなく,将来計画委員会にて若手育成セミナーをサポートしていくこ
ととする。

なお,若手育成セミナーについて,木山博資理事長より,議題とは別に以下の提案がなされた。若手育成セミナーの予算について,現在の同セミナー世話人の一人でもあり理事会企画シンポジウ
ムオーガナイザーも務める橋本亮太氏より,ご自身が理事会企画シンポジウムで使わなかった予算30 万円を同セミナーへ充当してもらえないか,との申し出があった。実際,同セミナー開催の予算は,学会からの補助金 50 万円と世話人の先生方により集められる寄附や抄録への広告収入となっており,毎年そのやりくりが難しい。例年,大会長(単独大会の場合)や同セミナー世話人代表が赤字にならないよう努力されている。しかしながら,赤字の発生が止むを得ない場合は,学会予算の一部を,同セミナーの補助へ充当させることが可能となるよう提案したい。

今年度及び来年度若手育成セミナー世話人代表を務める橋本均理事より,以下の通り発言された。

今年度はなんとかなったとしても,来年度も財政的に厳しいことには間違えないので,今後のこと
も踏まえ,その様に取り計らっていただけると,同セミナーの世話人としても大変良いと考える。

上記報告及び意見について,以下の通り議論された。

・予算立ての際に,きちんと費目が決まったうえで計上されているため,それを動かすのはどうか
と思うが,予算の中に予備費という項目があるのだから,そこから補填すればよいのではないか。
・同セミナーはセミナーにおいての寄付金を集めるため,大会の寄附金と混同する恐れもあり,扱いが難しいと考えるので,学会の会計内にて処理をすると考えた方が良い。
・学会のスタンスとして,同セミナーにしても大会にしても,赤字となったら学会が補填するということであれば良いのではないか。

上記議論により,若手育成セミナー運営において赤字となった場合は,予備費より補填することが
承認された。

また,野村靖幸監事より,以下の通り提案された。

以前も若手育成セミナーの資金繰りについて話し合ったことがあったが,研究助成金等を募る財団
等(例えば,内藤記念科学振興財団等)へ理事会から提案書を出す等働きかけをし,同セミナーの活動へも資金援助してもらうよう,外部資金獲得の努力をしてみてはどうか。

上記の他,若手育成セミナーの資金調達方法として,以下の提案がなされた。

・同セミナーサポート制度(有志が大会参加費を支払う際にプラスアルファを出す。その際,同セミナー懇親会へ無料で参加できることとする)
・ホームページへバナー広告を掲載
・同セミナーサポート制度と似ているが,年会費を請求する際に,例えば,任意で別途 1,000 円程
度を同セミナーサポート用に払ってもらうよう依頼文を同封する。

上記提案等について,木山博資理事長より,ホームページへのバナー広告掲載については対応を
進めることとするが,その他の資金調達方法については引き続き検討していきたいとした。

(事務局より補足:若手育成セミナーでバナー広告を募集する件については,昨年その対応を進め
た際,本学会ホームページにその当時はまだバナーを掲載できる若手育成セミナー専用のページがなく,また新しくページを作るには有料になるとの次第にて,延期になっていた。)

12. 「新日本版 NIH」構想について
仲嶋一範庶務担当理事より,当審議事項については,当議事録報告事項第 8 議題にて報告及び審議がなされた通りである旨説明された。

13. その他
仲嶋一範庶務担当理事より,当議事録報告事項第 8 議題の生物科学学会連合に関し,以下の 2 点について報告のうえ議場へ諮られ,承認された。

・生物科学学会連合内にて,教科書問題に対応するワーキンググループ(委員会)設置の準備を 
進めている。現在,高等学校の生物学教科書において,文部科学省がその記載を自由化したため,語彙や用法またその重要度の基準等が教科書によって様々となり混乱が生じ,入試問題作成時に大きな問題となっている。そこで,それらを統一すべくワーキンググループを設置することになり,同連合加盟各学会のうち賛同する学会については,1 名ずつそのワーキンググループへ参加するメンバー(委員)を推薦するよう依頼があった。審議の結果,本学会も上記ワーキンググループへ参加することとなり,本学会からは石崎泰樹理事をその委員として推薦することとした。

・生物科学学会連合内にて,ポスドク問題に関するワーキンググループ設置の準備を進めている。ポスドク後のポスト不足の問題,さらには雇い止めの問題も加わり,特に生命科学系については
ポスドクに関する問題が深刻さを増している現状を受け,その対策を検討すべくワーキンググループを設置することとしている。まだ具体的には同ワーキンググループへ参加するようメンバー推薦の依頼はないが,このワーキンググループが設置された際は参加することとし,またそのメンバーについては執行部へ一任することとした。

最後に,木山博資理事長より,事務局新担当者(小野瀬聡美)の紹介があった。

以上を以て,予定した全ての議事を終了し,本年度第 2 回理事会を閉じた。