会則・役員・議事録・投稿

議事録

2013年度(平成25年度)評議員会議事録
日本神経化学会
2013 年度評議員会議事録 

日 時:2013 年 6 月 21 日(金)14:00~14:30
会 場:国立京都国際会館 2 階 6 会場(Room B1)

出 席:出席 42 名,委任状 62 名(評議員総数 269 名,定足数 54 名)

議 長:木山 博資 理事長

進 行:白尾 智明 副理事長

議 題: 今後,他学会との連携をどのように進めていくか
1)連合・連携大会の開催について
2)若手育成に関する他学会との連携
3)神経化学会大会における他学会との連携シンポジウムの開催
4)国際学会(例えば International Society for Neurochemistry:ISN や
    Asia-Pacific Society for Neurochemistry:APSN)との連携について
5)その他

白尾智明副理事長より,議事に先立ち副理事長就任のご挨拶がなされた。また,議題について以下の通り発言された。

議題「他学会との連携をどのように進めていくか」という問題は,いろいろな捉え方があるため,今回はその他の事項も含めた 5 つの点について,意見やご提案をいただきたい。

まず,議題 1)「連合・連携大会の開催について」では,今回開催の Neuro2013 も含め,3年毎に本会と日本神経科学学会,そして日本神経回路学会の 3 学会合同大会を開催しているが,次回開催予定年度と思われる 2016 はそれぞれの学会が別々に大会を開催するとしているので,今一度,連合・連携大会についてご意見をいただきたい。

白尾智明副理事長より,本学会連合大会委員会委員長という次第にて,和田圭司連合大会委員会委員長が指名を受け,以下の通り意見された。

大会を他学会との連合や連携とするかについては,大会は毎年開催されるためその都度検討する次第でよいと思う。しかしながら,本学会のアイデンティティや 10 年後,20 年後の本学会の望ましい姿を考えた際に,他学会との連合・連携をどの様に成し遂げていくべきか,という観点から,連合・連携大会の在り方について考えた方がよい。

引き続き,和田圭司連合大会委員会委員長より,今後の連合大会の予定について以下の通り報告された。

2014 年度は,日本生物学的精神医学会との合同大会となることが決定しているが,2015年度は未定であり,2016 年度は 3 学会合同(日本神経科学学会,日本神経回路学会と本学会)での予定は無く,2017 年度以降をどうするかについては今後の議論となると考える。

なお,以前開催された評議員会では,日本神経科学学会,日本神経回路学会との連合大会について賛成の意見が多かったと記憶しているので,方向性としては数年に一度の連合大会を開催することが望ましいという考えなのだと思われる。その考えも踏まえ,2016 年度は合同大会は予定されていないことでもあり,連合・連携大会の在り方について再度議論すべき時期なのではないかと思う。

白尾智明副理事長より,ただ今の和田圭司連合大会委員会委員長の意見の中から「10 年後,20 年後の本学会の望ましい姿」という点に鑑み,現在の若手会員は連合・連携大会に対しどう考えているのかについて,小泉修一将来計画委員会委員長が指名を受け,以下の通り発言された。

現在の若手会員は,大会へ参加するに際し,所属学会のアイデンティティや特化性を好むというよりも,一度に沢山の演題が視聴でき,一度に沢山の交流ができる,いわば自分の知的好奇心がどの程度満たされるかという点に重きをおき,参加しているように見受けられる。その点については将来計画委員会でも話題になるが,3 学会合同大会(日本神経科学学会,日本神経回路学会と本学会)は 3 年毎の開催として認知されているので,継続できたらよいと考えている。また,例えば本学会が行っている若手研究者育成セミナーについても,大会やその形式にこだわらず,本学会と同規模の他学会と連携し,拡大版として開催する等を検討してもよいのではないかと考える。

白尾智明副理事長より,只今の小泉修一将来計画委員会委員長の意見を踏まえ,以下の通り発言された。

若手研究者育成セミナーを同規模他学会と連携し開催というのは,議題 2)「若手育成に関する他学会との連携」に関連し,今後検討してもよい内容だと思う。

引き続き,白尾智明副理事長より,連合の試みは草創の頃からスタートしていたが初期の頃と最近の目的の違いについて伺いたいと,髙坂新一氏が指名され,以下の通り発言及び提案された。

ここ 10 年間ばかり,ずっと他学会との連合・連携や本学会としてのアイデンティティについて議論してきているように見受けられるが,大事なことは初期の頃からやってきていることをブレないで継続することである。本学会は,基礎,精神科,神経内科の方々が正常脳だけでなく病態脳に関しても分子レベルで扱う流れにおいて草創期から活動している。
やはりここは草創期の,本学会は専門店であるべきとした,討論中心の意欲ある頃に立ち返ることが必要だと思う。
また,評議員,理事の先生方がご自身の研究室の若手を積極的に大会へ連れ出し,討論会等の厳しい面にも触れさせることが重要である。こういう厳しさは,他学会では味わえないため,若手を育てるためにも討論会等は必ず続けていくべきである。
なお,最近では病態については神経科学や他学会のみならず文部科学省においても注目されており,この観点が重要であることはコンセンサスができている。従って,我々が当初目指した目的は正しかったという点からも,やはり初期の頃に戻ることが肝要ではないか。
また同様の観点から,精神科,神経内科等の臨床の先生方を積極的に取り込む活動を 増やしていただきたい。

白尾智明副理事長より,臨床の先生方の意見を伺いたいとし,橋本亮太氏が指名され,以下の通り意見された。

病態の分子メカニズムを観る点は本学会特有であり,日本神経科学学会とは一線を画していると考えている。
しかしながら,精神科医でありなおかつ研究を続ける人は減っており,実際問題研究を続けることは難しいと言わざるを得ない。この観点から,例えば日本生物学的精神医学会では若い世代の入会が減少をしていることを懸念しているため,同様規模の学会と一緒に活動する枠組を強化すると,双方向に人が流れることになりよい効果が生まれるのではないかと思う。

また橋本亮太氏は,神経内科医の等誠司理事の意見とし,続けて以下の通り発言された。

神経内科の先生方は専門医ポイントを取得するのが大変であるという話を聞いたことがあるため,本学会において神経内科の先生方向けの神経化学セミナー等を企画するのもよいのではないか。

挙手にて丸山和佳子氏より,以下の通り意見された。

今年の日本神経学会にても問題になった件であるが,厚生労働省より専門医の認定に変更があり,現在 18 学会にて認められているその専門医認定の有無が臨床医としてのキャリアに大きく影響する。精神科の認定は 5 年以上で取得できるが,神経内科は内科の認定医取得に 4-5 年,その後神経内科の研修 3 年を経て神経内科の認定医を取得,その後さらにサブスペシャリティの研鑽をするとなるため,臨床能力を研鑽しながら大学院へ進み,研究を続けていくというのではどうしても年齢的に遅くなってしまう。神経内科医兼研究継続を希望する若手を望むのは難しい状況なのである。研究をしながら,専門医も取得できるようなシステムを構築しない限り,神経内科医の若手をリクルートすることは困難と言わざるを得ない。ポイントについては,専門医取得後の継続のために必要なもので,初期(専門医取得に要する資格)の困難を解決するものではない。

白尾智明副理事長より,只今の意見について,小泉修一将来計画委員会委員長が指名され,以下のとおり発言された。

現状 Ph.D.より専門医を取得する方が大事である以上,研究に注力するのは困難かと思われる。

再び丸山和佳子氏より,以下の通り提案された。

例えば,本学会より日本神経学会へ,「神経の基礎研究トレーニング」を開催する等というような企画を提案したらよいのではないか。

白尾智明副理事長より,只今の丸山和佳子氏の提案から,議題 3)「神経化学会大会における他学会との連携シンポジウムの開催」を含め何か具体的な提案がないか,斎藤祐見子氏ポジウム企画委員会委員長が指名され,以下のとおり発言された。

今年度,シンポジウム企画委員会委員長を拝命したところであるため,まだ具体的に考えていないが,明日開催予定の委員会にて,他学会との連携シンポジウムの可能性も含め議論したい。

挙手にて吉良潤一氏より,以下のとおり意見された。

日本神経学会理事,また来年の日本神経学会大会大会長を務める立場から意見したい。
神経学会において入局者数の調査をしたところ,現在年平均 2 名程度だが,大学院へ進む人数は多くなってきている。
先ほどの話になるが,専門医のポイント数は様々な学会にて取得できるので,取得ポイント数を増やすことが学会へ人を呼び込むきっかけになるとは思えない。しかし,本学会が日本神経学会へ企画を持ち込むという意見は,神経内科の一般の方へ,分子レベルの研究が進んでいる学会の存在を認知させるよい機会になる。実際,自分も数年ぶりに今大会へ参加し非常に勉強になったので,本学会より他学会へ働きかけるのはよいことと思う。

白尾智明副理事長より,議題 4)「国際学会(例えば International Society for 
Neurochemistry:ISN や Asia-Pacific Society for Neurochemistry:APSN)との連携について」,INS 理事に就任された久永眞市氏が指名され,以下の通り発言された。

ISN と JSN の現在の良好な関係は,今までの諸先生方が努力されてきたおかげである。 
また,本年 4 月よりトレジャラーへ池中一裕理事が就任されたことにより,今まで以上にISN が JSN を尊重しているようである。今後については,それをさらに高めていけるよう努力したい。

ISN ホームページにて確認してもらいたいのだが,ISN へ入会すると様々な特典(Journal of Neurochemistry 等文献の自由閲覧,最初の 2 年間会費無料等)があり,また JSN のグローバル化を目指すうえでも多くの JSN 会員に ISN へ入会していただきたい。
なお,ISN は資金が潤沢にあるため,その資金は途上国へ流用されていると多くの方が認識していると思われるが,JSN へも還元されている。

白尾智明副理事長より,APSN と JSN の関係について,和中明生氏が指名され,以下の通り発言された。

今まで通りの活動を継続し,また APSN のカウンシルへ JSN から一定数が入っていただく
ことで,少しずつ APSN と JSN の関係が発展していけばよいのではないかと思う。
2 年毎に開催の APSN 大会へ,JSN の若手会員には JSN より補助が出るため,積極的に参
加してほしい。これについては,白尾智明国際対応委員会委員長より,周知の仕方を見直
すこととしているので,もっと確実に周知していきたいと考えている。また補足として,
ISN からも APSN のスクールや大会,シンポジウム等のイベントへ補助が出ているため, 
是非そういったイベントへも参加していただきたい。

白尾智明副理事より,国際対応委員会委員長という立場から,以下のとおり発言された。

国際対応委員会では ISN や APSN のトラベルアオード申請作業をサポートしているので,積極的に応募していただきたい。また,例えトラベルアオードがもらえずとも,本学会にて渡航費用を半額程度サポートするシステムもあるため,是非若手会員をエンカレッジしていただきたい。

白尾智明副理事長より,本日の議題についてはこの場で結論を出せるものとは考えてないため,また機会を作り議論をしてゆきたいとし,以上を以て,2013 年度評議員会は閉会となった。